ニュートリノを探る

カミオカンデ、スーパーカミオカンデからハイパーカミオカンデ計画へ
ニュートリノ・陽子崩壊を探る。

ハイパーカミオカンデ用20インチ新型センサ

ハイパーカミオカンデ用新型20インチ光センサ

1987年2月23日、史上初の超新星爆発からのニュートリノ観測という大偉業を成し遂げたカミオカンデ。16万光年離れた超新星爆発からもたらされた千載一遇のチャンスをとらえたのは浜松ホトニクスの光電子増倍管です。 その技術は絶え間ない進化を続け、高性能化された現在のスーパーカミオカンデそしてハイパーカミオカンデ計画へと受け継がれていきます。

 

Keyman Interview

高エネルギー物理分野への進出
開発当時の営業を担当
浜松ホトニクス 顧問 袴田敏一

 

ニュートリノとは?

原子と素粒子

原子と素粒子

クォークとレプトン

クォークとレプトン

物質を構成する最小の粒子を素粒子といいます。 現在確認されている素粒子は、陽子や中性子を構成するクォークと、電子の仲間であるレプトンに分類され、どちらも6種類あることが分かっています。レプトンの中で3種類は電荷がなく、これをニュートリノと言います。ニュートリノは宇宙で光の次に多く飛び交い、 太陽など星の中心で起こる核融合反応や、 重い星の最期に起こる超新星爆発、 宇宙線が飛び込む地球の大気、原子炉や地球の内部から発生しています。どんな物質も透過する性質を持ち、今この瞬間にも私たちの体の内部にも降り注いでいます。

 

13秒間で11個のニュートリノを検出

底部から魚眼レンズで撮影した、カミオカンデ検出器 [画像提供:東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設]

底部から魚眼レンズで撮影した、カミオカンデ検出器 [画像提供:東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設]

1987年2月23日の7時35分35秒(世界標準時)から約13秒間に、カミオカンデは大マゼラン星雲の超新星爆発で生じた1058個のニュートリノのうち11個を検出しました。それは16万年前に超新星爆発で生じたニュートリノでした。 地球を通過した時間確率は

カミオカンデはこれほどのわずかなチャンスを捉えたことになります。宇宙ニュートリノ観測の業績により、カミオカンデを構想し、当時の実験の指揮をとっていた小柴昌俊先生は、2002年にノーベル物理学賞を受賞されました。

 

スーパーカミオカンデのタンクに満たされた超純水量:50,000トン(ton)

スーパーカミオカンデ概念図[画像提供:東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設]
スーパーカミオカンデ概念図[画像提供:東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設]

 

スーパーカミオカンデは、カミオカンデの性能を20倍にアップさせようという計画で、カミオカンデから約300m離れた神岡鉱山の地下約1000mに建設されました。直径39.2m、高さ41.4mの巨大水槽は、カミオカンデの約16倍にあたる5万トンもの超純水で満たされることとなりました。実験の目的は、太陽ニュートリノ、大気ニュートリノ、人工ニュートリノなどの観測を通じて、ニュートリノの性質の全容を解明することと、陽子の寿命を解明することです。

 

スーパーカミオカンデに設置された20インチ径光電子増倍管の数:11,200本

20インチ径光電子増倍管

20インチ径光電子増倍管

スーパーカミオカンデの内水槽には内向きに光電子増倍管と呼ばれる光センサーが、約11,200本取り付けられています。水中を走った荷電粒子から発するチェレンコフ光をこの光センサーでとらえます。チェレンコフ光からの光量と光をとらえた時間という2つの情報から、荷電粒子のエネルギーや方向を決定します。この光電子増倍管は光を受ける光電面の直径が約50センチメートル(20インチ)もあり、世界最大のものです。

 

関連ページ:

20インチ光電子増倍管開発ストーリー

 

ハイパーカミオカンデの水チェレンコフ検出器水槽の容量:26万トン

ハイパーカミオカンデのイメージ図
ハイパーカミオカンデのイメージ図

ハイパーカミオカンデ概念図
ハイパーカミオカンデ概念図

 

 

ハイパーカミオカンデ実験では、これまで培ってきた高いニュートリノ実験技術をもとにさらに実験感度を向上させます。検出器は、直径74m、深さ60mの円筒形のタンクに超純水を満たしたものです。タンクの体積は26万トン、有効体積は19万トンでスーパーカミオカンデの約10倍になります。タンクの壁には大型の超高感度光センサーが40,000本取り付けられ、水中で発生するチェレンコフ光をとらえます。スーパーカミオカンデの100年分のデータがハイパーカミオカンデでは約10年で得られることになります。そのため、これまで見えなかった素粒子のまれな現象や、対称性のわずかな破れの測定が可能になります。

 

提供 ハイパーカミオカンデ研究グループ

 

 

水チェレンコフ検出器における光センサ

ハイパーカミオカンデ用20インチ光電子増倍管

ハイパーカミオカンデ用新型20インチ光電子増倍管

個々の光センサーでは、「いつ」「どれだけ」光を受けたかを測定します。光センサーの性能は、水チェレンコフ検出器全体の観測性能に大きく影響します。たとえば、光を受けた時間の測定精度があがると、ニュートリノ反応や陽子崩壊の発生点をより正確に推定できるようになります。また、バックグラウンドと呼ばれる偽の事象をより区別しやすくなる可能性があります。受けた光の量の測定精度があがると、反応で生成された素粒子のエネルギーをより正確に推定できるようになります。ハイパーカミオカンデ用には、スーパーカミオカンデ用をさらに高性能化した新型20インチ光電子増倍管が開発されました。

 

提供 ハイパーカミオカンデ研究グループ

 

 

▼ハイパーカミオカンデに関する情報はこちら
http://www.hyper-k.org/

 

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