製品情報

hama hot vol.16
品質管理
浜松ホトニクスは品質改善活動に積極的に取り組んでいます。

アプリケーション

浜松ホトニクスについて

サポート

会社情報

( )

国・地域を選択してください。

ガンマ線高時間分解検出技術

検出器コンセプト

高時間分解能なPET検出器を実現するために、当社はチェレンコフ放射に着目しました。チェレンコフ放射は従来のシンチレーション放射に比べて即発的に放射されるため高時間分解能が期待されます。更に、モノリシックな輻射体を採用することでチェレンコフ光の輻射体中での散乱を抑えられるため、時間分解能の向上が期待されます。しかし、チェレンコフ光は発光量が少ないという難点があります。少ない発光量で正確にガンマ線の相互作用位置を推定するために、狭ピッチの光検出器アレイを独立読み出しする案を採用しました。

■特長

モノリシックチェレンコフ輻射体
 →チェレンコフ光の時間特性を最大限に利用するため
全素子独立読み出し
 →少ないチェレンコフ光 (数光子) から多くの情報を得るため

光検出器への要求特性

上記の検出器コンセプトの元、モンテカルロシミュレーションを行いました (参考文献 1.)。シミュレーションによって光検出器への性能要求が明確になりました。具体的には、光検出器は『①読み出しピッチが細かいこと』、『②単一光子時間分解能 (SPTR) が良いこと』、の2点が必要であることが分かりました。
例えば、20 mm厚の輻射体を用いて同時計数時間分解能 (CTR) で100 ps FWHMを達成するためには、SPTR< 40 ps σが必要となります。ガンマ線の相互作用位置推定の精度を向上させるためにディープラーニングを用いた手法についても検討しています(参考文献 2.)。

CTRの検証

シミュレーションの妥当性を評価するためにCTR測定実験を行いました。光検出器として、SPTRが優れているMCP-PMT (R3809) を採用しました。このMCP-PMTのSPTRは25 ps FWHMであることが分かっています。
MCP-PMTにチェレンコフ輻射体 (フッ化鉛、PbF2) をカップリングしたチェレンコフ検出器を試作し、CTRを測定したところ、50 ps FWHMより優れた結果が得られました (参考文献 3.)。この結果は先のシミュレーション結果から予測される値とほぼ一致しました。

チェレンコフ輻射体内蔵型MCP-PMTの開発

チェレンコフ輻射体内蔵型MCP-PMTの開発

上記で示したチェレンコフ検出器は、輻射体とMCP-PMTの窓材の間に光学界面が存在するために時間分解能が劣化してしまいます。その光学界面を避けるために、MCP-PMTの窓材をチェレンコフ輻射体に置き換えた”チェレンコフ輻射体一体型MCP-PMT”を試作しました。輻射体と光電面の間にALD (Atomic Layer Deposition) で保護層を形成することで、輻射体の透明度が保たれています。

試作した検出器を用いてCTR測定を行ったところ、CTR = 41.9 ps FWHMが得られました(参考文献 4.)。更に、詳細な解析を行った結果、CTR=30.1 ps FWHMを得ることができました。

参考文献

1. R. Ota et al., Med. Phys. 45 (2018) pp. 1999-2008

2. F. Hashimoto et al., Biomed. Phys. Eng. Express 5 (2019) 035001

3. R. Ota et al., Nucl. Inst. Meth. A 923 (2019) pp. 1-4

4. R. Ota et al., Phys Med. Biol. 64 (2019) 07LT01

お問い合わせはこちらからご連絡ください。