製品応用と仕事

浜松ホトニクスの製品が、どのような場面で活躍しているか、皆さんご存知でしょうか?
当社製品は身近なところから、医療、宇宙分野まで多岐に渡っているのが特徴です。

 

21世紀は「光の世紀」。光技術の応用が加速し、私たちの生活はより豊かになっています。当社は、「光」に関連する様々な製品開発を進め、最先端の光技術を世界へ発信し続けています。

 

その代表例と、それに関わる浜松ホトニクスの仕事内容をここで紹介します。経営理念である「人類未知未踏の追求」、その考え方をきっと皆さんにも感じ取ってもらえると思います。

製品応用と仕事

学術研究分野

人類未知未踏の追求

岐阜県飛騨市神岡町にあるニュートリノ観測施設「スーパーカミオカンデ」は、最先端の素粒子ニュートリノ研究で世界をリードしています。当社が開発した20インチ光電子増倍管はニュートリノ検出に欠かせないセンサとして、本研究に貢献しております。2002年の小柴昌俊東京大学特別栄誉教授に続き、2015年には梶田隆章東京大学宇宙線研究所長のノーベル物理学賞受賞により、ひときわ大きな注目を集めました。

「できないと言わずにやってみろ」

20インチ光電子増倍管の開発のきっかけは、当時の当社社長(現会長)晝馬輝夫のその一言でした。試行錯誤の末、当社は世界初20インチ光電子増倍管を量産。ニュートリノ観測成功をきっかけに、当社に対して世界各地の研究所から開発依頼が入るようになりました。

 

また2013年には、フランソワ・アングレール名誉教授とピーター・ヒッグス名誉教授のノーベル物理学賞受賞が話題になりました。受賞理由は「神の粒子」ことヒッグス粒子の発見。神の粒子発見の舞台となった欧州原子核研究機構(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)にて使用される検出器(SSD、APD)も、当社が担当しています。

CERN(欧州原子核研究機構)のLHCプロジェクト、CMS実験装置に取り付けられたシリコン・ストライプ・ディテクタ[画像提供:CERN]

CERN(欧州原子核研究機構)のLHCプロジェクト、CMS実験装置に取り付けられたシリコン・ストライプ・ディテクタ[画像提供:CERN]

スーパーカミオカンデに取り付けられた20インチ光電子増倍管

スーパーカミオカンデに取り付けられた20インチ光電子増倍管

これらの製品開発は簡単ではありませんでしたが、未知未踏に挑むのが我々の仕事。諦めず挑戦した結果、このような輝かしい功績を残すことが出来ました。また、ここで得た知見を、医療や宇宙等の他用途への製品開発へも活かすことで、当社製品レベルを急速に発展させるきっかけとなっています。

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学術研究分野に関わるお仕事の先輩社員

健康・医療分野

真の健康を目指して「光」ができること

「がんで死なない、認知症にならない社会の実現」

当社では、その実現に向けて日々研究を進めており、医療における「光」への期待はますます高まっています。近年、がんの早期発見や、アルツハイマー病の解明のために、医療診断装置PET(Positron Emission Tomography)が注目を浴びております。PET装置の検出器には光電子増倍管や光半導体素子が使用され、最先端医療の分野でも当社製品は欠かせないものになっております。

 

その他にも、医療診断装置X線CT、血液検査装置、尿検査装置等、様々な医療診断装置のコアとなる検出器部分に、当社製品が使用されています。「いつまでも健康でありたい」、そんな医療業界からの思いに応えるため、各種製品開発や研究を進めています。

ヒトiPS細胞由来の心筋細胞塊

ヒトiPS細胞由来の心筋細胞塊

 

PET-CT装置

PET-CT装置

健康・医療分野に関わるお仕事の先輩社員

産業応用分野

「光」で生活を豊かに

「交通事故のない車社会」

その実現のために光センサは欠かせないものになります。当社は車間計測用の距離計測用センサをはじめ、世界中の自動車メーカへ多くの製品を提供しています。

 

「トリリオン・センサ」という言葉を皆さんご存知でしょうか?

 

毎年1兆個規模の大量のセンサを社会が消費し活用する時代が迫っています。こうした近未来に向けて、当社は自動車に限らず、皆さんの身の回りにある、スマートフォン、液晶テレビ、自動ドア、光通信、など多くの分野に光センサを供給しています。

光技術を利用したセンサ製品が自動車の安全性・快適性・省エネのキーデバイスとして活用されています

光技術を利用したセンサ製品が自動車の安全性・快適性・省エネのキーデバイスとして活用されています

 

 

工業製品・食品などあらゆる製品の製造・検査工程が光技術によって支えられています

工業製品・食品などあらゆる製品の製造・検査工程が光技術によって支えられています

ありとあらゆるモノが光で繋がる未来。より豊かな暮らしを目指し、浜松ホトニクスの光センサは今後も無限に広がる可能性を秘めています。

 

また、当社は光センサのみでなく、光を使った製造・検査工程支援にも力を入れています。半導体製造工程に革命を起こしたレーザ加工技術ステルスダイシングTMをはじめ、自動車、液晶、FA、あらゆる産業において、当社の光技術がものづくりを支援しています。

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産業応用分野に関わるお仕事の先輩社員

環境分析分野

「光」で地球環境を守りたい

「大気汚染、水質汚染、放射性物質・・・」

産業の発展に伴い、大気、水等私たちを取り巻く自然環境の汚染が深刻な問題となっています。それら汚染物質を高精度で分析する環境分析分野では、光を応用した各種分析装置が数多く用いられ、当社の製品がキーデバイスとして活躍しています。

 

例えば、大気、水中の含有汚染物質の分析装置の光源部には各種紫外線ランプやレーザ製品が、受光部には光電子増倍管や光半導体素子が使用されています。

光技術による持続可能な社会の実現をめざす

産業応用分野に関わるお仕事の先輩社員

電子管事業部 T.F.

レーザ事業推進部 T.O.

宇宙分野

「光」で宇宙の謎に迫る

輝かしい功績を上げ映画化もされた小惑星探査機「はやぶさ」や、ハワイ島マウナケア山頂にある世界最高峰の天体望遠鏡「すばる望遠鏡」、・・・名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?実はこれらのセンサ部は当社が担当しました。 遥か彼方の宇宙はどうなっているのでしょう?誰も知らないその答えを浜松ホトニクスのセンサが解明する日も近いかもしれません。

 

「浜松から世界へそして宇宙へ」
浜松ホトニクスの光技術は無限の広がりを見せています。

2010年に奇跡の帰還を果たし世界中からの注目を集めた小惑星探査機「はやぶさ」。小惑星イトカワの表面の組成を探る2つの装置に浜松ホトニクスのイメージセンサが採用されました

2010年に奇跡の帰還を果たし世界中からの注目を集めた小惑星探査機「はやぶさ」。小惑星イトカワの表面の組成を探る2つの装置に浜松ホトニクスのイメージセンサが採用されました

 

 

 

ハワイ島標高4205mのマウナケア山頂にあるすばる望遠鏡。その超広視野主焦点カメラには浜松ホトニクスの世界最高感度を誇るCCDエリアイメージセンサが搭載され、遠方宇宙の観測に活躍しています[画像提供:国立天文台]

ハワイ島標高4205mのマウナケア山頂にあるすばる望遠鏡。その超広視野主焦点カメラには浜松ホトニクスの世界最高感度を誇るCCDエリアイメージセンサが搭載され、遠方宇宙の観測に活躍しています[画像提供:国立天文台]

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