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DIUTHAME

イオン化支援基板 DIUTHAME(ジュテーム)

ユーザーインタビュー01

DIUTHAME

DIUTHAMEは、「とりあえずやってみよっか」って思える。
乗っけるだけ。ほんとに乗っけるだけなんだなって。

名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)
桑田啓子 特任助教

名古屋大学の生命分子研究所の分子構造センターで質量分析計をはじめとする大型分析装置の維持管理と運用をこなしながら、幅広いサンプルの測定解析を行っている桑田助教にDIUTHAME導入の経緯や使用感をインタビューしました。


本日は貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます。
早速インタビューに入りますが、先生はどういった研究やお仕事をされているのですか?

私はITbMのリサーチセンターの一つである分子構造センターのチーフコーディネーターを仰せつかっております。
分子構造センターでは、最先端の質量分析計をはじめとした大型分析装置を維持管理しています。私たちは、ITbMの研究目標である化学・生物学関連分野において真に大きな波及効果をもたらす「トランスフォーマティブ生命分子」を生み出すために日々切磋琢磨しております。
一方で、大型分析装置は外部機関にも門戸を開いておりまして、プロテオミクスを中心とした共同研究を展開しています。具体的には、年間で前処理を含めた測定および解析の依頼が300件以上、サンプル数は2,000件を超える依頼を引き受けています。それらの依頼に対して、高い成功率で測定結果お返しすることを日々意識しております。このような共同研究とともに、企業の方々と共に製品開発を行なったり、装置改良を模索していくことで研究成果に繋げるよう、積極的に取り組んでいます。


では、特定の応用分野であったり、特定の動物やサンプルをよく使うという事はないのですか?

装置の有効利用を第一に掲げておりますので、特に制限は設けていないです。日本全国、外国からも動物・植物ともに多様なサンプルが届きます。
今回DIUTHAME(ジュテーム)を使って行った測定では、最終的にマウスの脳の測定が一番多かったですが、マウス脳の前は入手が容易な黒米など食品の測定もおこなっていました。今後は植物の分野においてDIUTHAMEを使っていきたいなと思っています。

DIUTHAME


DIUTHAMEを使うシーンについて、マウス脳の測定が最も多かったとのことですが、そういった動物組織の測定シーンでDIUTHAMEを使ってみての感想があれば、教えていただけますか?

動物の組織切片とDIUTHAMEは、まさにベストマリアージュですね。これまで扱ったサンプルの中で一番いい組み合わせだと思っています。
イメージング質量分析では有機溶媒による化合物の抽出が必須なことが多いと思いますが、DIUTHAMEの場合は材料が組織切片などのウエットなものであれば、毛細管現象により成分がDIUTHAME基板表面まで上昇するのでそれが必要ない。その上、マトリックスを噴霧しませんから結晶サイズで分解能が決まってくることもないため、動物の組織切片の場合、マトリックスを使ったイメージング質量分析よりも見た目の空間位置分解能が高い印象を持ちました。複雑な工程がありませんから再現性が良いのもメリットですね。

DIUTHAME


イメージング質量分析はDIUTHAMEを知る前から行っていたのですか?

取り組んではいましたが、素人にはなかなか難しかったです。DIUTHAMEを知る前から、イメージング質量分析はやりたいと思っていたんです。
ただ、なかなか技術面でのハードルが高かった。2013年度にスプレーヤーを一週間貸してもらって、それを使ってうずらの後頭部あたりに極微量存在するホルモンの検出をやってみました。
しかしながらホルモンの存在量が低かったのか、前処理が適切ではなかったのか、結局検出出来なくて。スプレーヤーを返却した後は、エアブラシを使ってマニュアルでやってみようと思いましたが、時間がなかなか取れず、2年ほど保留していました。

分子構造センターにスタッフが増えたことをきっかけに「イメージング質量分析をやってみよう」という話になったのですが、マトリックスの塗布が大変なのはわかっていましたので、「LDIで検出できるものをみてみよう」という所から手を付けたんです。
LDIでみえる化合物はもちろん色々あるんですけど、LDIはフラグメンテーションしやすいハードなイオン化法なので検出できない化合物も多くて。しょうがないのでマトリックス塗布にもチャレンジしました。
それでやっぱりなかなか難しいと思っていたところにDIUTHAMEが登場、という感じですね。


DIUTHAMEを知ったタイミングは、まさにイメージング質量分析を検討していた時期だった訳ですね。

2016年の11月に浜松ホトニクスの豊岡製作所で行われた質量分析の学会で知りました。最初はDIUTHAMEっていう名前が読めなかったですね。
当時はLDIメインでイメージング測定を試みていた時期だったので、興味はありましたが、すぐにイメージングを検討するというよりは、単純にマトリックスフリーで測定できるところに魅力を感じました。
多種多様な化合物をMALDIで測定する時に、マトリックスをスクリーニングしなければならないことが多々あります。
それがもし不要になったらとても便利だなと思って、「サンプルがほしいです」というお願いしたのがきっかけでした。


質量分析装置ユーザーとして、DIUTHAMEを実際に使ってみていかがでしたか。

簡単に測定ができることに驚きました。
イメージング質量分析って私たちみたいにやってみたい人は多いと思うのですが、それと同時に、おそらくはそのほとんどの人が難しそうだと思っているんですよね。

質量分析ユーザーと一口に言っても、その幅は凄く広いと思うんです。
例えば、ごくごく一部の業界トップユーザーは、イメージング質量分析装置とその周辺機器も持っている。けれどその下には、私たちみたいにいわゆるMALDI-TOFMSは持っていてもイメージング質量分析に特化した装置やスプレーヤーがないユーザーがいる。もっと下をみれば、質量分析のことをあまり分からないし、設備も無いけれど何かやりたいなっていう人もいっぱいいると思うんです。
そういう意味では、イメージング質量分析って興味はあっても手が出せない潜在ユーザーが相当数いるのではないかと感じています。

DIUTHAME

DIUTHAMEっていう製品の手軽さは、そういう一般層のユーザーには特に魅力的だと思うんです。
あるユーザーがちょっとイメージングをしてみたいと思った時に、装置メーカーが提案してくるのは300~1,000万円くらいのマトリックス蒸着または噴霧装置だと思うんです。それらの高額装置を一般ユーザーが「買います」と言えるかどうか。
研究が成功するかどうかわからないというリスクを考えると、そんな大きな額は投資しにくいと思う。だって1,000万円あればたとえば四重極タイプのLC-MS装置が買えてしまう。おそらくLC-MSを買った方が、ラボにとって安定的なメリットがある、と一般的には考えますから。

そこで、安価なエアブラシを3~4万円ぐらいで買って苦労するんです。
後々文献を読んだりして、良好な画像を得るにはエアブラシの前に蒸着装置を使った方が良いことを知り「え~っ!?」って思う訳ですね。
それに、そういう事情も質量分析を専門としているラボに話を聞かないとなかなか分からないと思うんです。
私たちの場合には、ありがたいことにイメージング質量分析を専門とする親切な先生が教えてくれたので、一通りなんとか測定できるようになりましたが、そこに至る前に測定を諦めるユーザーがどのぐらいいるのかなって思いますね。
または検討段階にも至らず諦めているユーザーとか。

そういう私たちみたいなユーザーにとってDIUTHAMEは「とりあえずやってみよっか」って思える製品。
ウエットなサンプルであれば、数ミクロンのフィルム部分を破らないように気をつけながら乗せてサンプルと密着させれば測定準備完了です。
DIUTHAMEの値段に依りますが、高額でなければ「やってみようよ」となりますね。日本全国にMALDIの装置がどのぐらいあるのか、数百台ぐらい?詳しくは分からないですけど、「それ使って測定できるよ」って言われたらやりたいユーザーは凄くたくさんいると思います。


DIUTHAMEの登場でイメージング質量分析の敷居が下がると、質量分析装置をそんなに触っていなくても「あ、こんな絵が取れるんだ」っていう。
そういうライト層の人たちの研究をお手伝いできる可能性を秘めているということですね。

ですね。潜在的なユーザー層はかなり広いと思いますし、だからこそ色々な人に使ってもらえると良いと思います。
DIUTHAMEはSALDIの一種と位置付けられますから、フラグメンテーションはMALDIよりも起こりやすいですね。
したがって、みえるものとみえにくいものがあるようです。したがって、検出したい化合物が決まっている場合は、イメージングを行う前にDIUTHAMEを使って化合物単独で検出ができるかどうか確認するところから始めるとよいかと思います。
また、乾燥食品のように有機溶媒抽出が必要なサンプルの場合、溶媒の組成と滴下量の最適化が必要なことがありますので、動物組織切片のような「乗っけるだけ」の手軽さは期待しにくいです。一方で、DIUTHAMEは高い再現性を特長としているのでサンプル間での違いを比較してみるような測定には応用しやすいし、研究としても面白い。いずれにしても、ツールとして持っておくと強いと思います。


そうですね。ツールとしての強みはこれからたくさんのユーザーに感じてもらいたいです。
他にツールとしてDIUTHAMEをみたうえで、印象的なエピソードなどがあれば聞かせていただけますか。

以前MALDIでマトリックスをかけて測定した時に、画像に“しましま”が出来る問題が発生したことがありました。でも、DIUTHAMEを使ったら“しましま”が発生しなかった。
当時はその原因が分からずに数ヶ月間悩んでいたのですが、結局導通が甘かったっていう極めて単純なことが原因でした。
導通が甘いと取得画像が乱れることは教科書をみれば書いてあることですけど、当時は盲点だったというか、理解していなかったです。
それで、原因が分かった時に、「そっか、そんな簡単なことだったのか」と思うと同時に、「やっぱりDIUTHAMEって便利だな」と感じました。

DIUTHAME


そういうシンプルな問題に直面するユーザーも多いのかもしれないですね。

どうなんでしょう。イメージング質量分析を専門とするラボの方、講習会などでトレーニングを受けている人はもう常識の範囲内の話なのかもしれません。
でも、私たちのように装置があるからやってみようっていう発想から測定を始めると、専門家では当たり前のことが分からずに、穴にハマってしまう可能性も高いですよね。
MALDIで測定していた時に、“しましま”問題の他にも、マトリックスを塗布する時に、スライドグラスを斜めに立てかけるのではなく、直立に近い形で立てて塗布するべきかもしれないみたいなことも話していたんです。斜めだと塗布ムラができるみたいで。
そういうちょっとしたコツみたいなことは、なかなかすぐに分からず、何ヶ月も測定する中で、データのムラやその傾向に少しずつ気付いてきてようやくわかることかもしれないと思います。


そういう事情も考えると、やはり1人でも多くのユーザーに試していただきたいですね。
さて、最後の質問ですが、今後の製品展開や応用展開でDIUTHAMEに期待することは何かありますか。

まず質量分析業界に、DIUTHAMEの名前が浸透するといいなぁと思います。
あと、月並みなのですけど、直径18mmのDIUTHAMEよりもっと大きいサイズがあればゼブラフィッシュ1匹入るんじゃないかなとか思うこともあります。
つまりユーザーの測定したいサンプルに合わせて色んなサイズがあったりするといいのかな。
例えば、連続切片を並べたりとか。大きいものでもいいですけど、まとめて1枚とか出来ると嬉しいです。連続切片なら擬似的な3D画像が取れるかもしれないですし。

応用に関しては、私たちの周りに植物学者はたくさんいるので、動物のみならず植物のイメージングを進めたいなぁと思います。
バイオロジカルに意味があるような現象をみないと成果には繋がりにくいので、植物も動物も同じですけど、DIUTHAMEを使って何をみるのかを見極めるのが、私たちユーザーには大切なのかなって思います。

大変貴重なお話を伺うことが出来ました。ありがとうございました。

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