非破壊検査 | 近赤外線

近赤外線検査とは

近赤外線は、可視波長域に最も近い特性を持った赤外線領域の電磁波のことです。目で見える可視光線よりも波長が長く、遠赤外線よりも波長が短いという特性を持っています。近赤外光は、人体に照射しても悪影響のほとんどない安全な光で、私たちの身近でも、テレビやエアコンなどのリモコンや、光ファイバやワイヤレスデジタル通信などの光通信に活用されています。

 

「光」である近赤外線は、図2のように、検査対象物に当たると、「吸収」「透過」「反射」「散乱」といったふるまいに分かれます。光が物質に当たると、その一部分は物質中に入り込んで「吸収」され、熱エネルギーに変わります。もしぶつかった物質が透明な場合は、内部で吸収されなかった光の成分が「透過」して、再び物質の外側に出てきます。また、物質の表面が鏡のように滑らかな場合は「反射」が起こりますが、表面が凸凹の場合は、「散乱」します。近赤外検査では、対象物の組成により異なる光の透過・反射・散乱特性の違いを近赤外検出器で可視化し分析します。近赤外検査は、被ばくのリスクがなく、光のエネルギーも低いため、今後さまざまな分野への導入が予想されています。

赤外線の種類

図1 : 赤外線の種類

近赤外線検査における分光の概念図

図2 : 近赤外線検査における分光の概念図

近赤外線検査の用途

食品検査

コーヒー豆の異物検査

コーヒー豆の異物検査

サンプル :コーヒー豆
異物   :石
撮像波長 :1200 nm
照明方法 :反射
使用カメラ:InGaAsラインスキャンカメラ C15333-10E

サイズや色味が類似していて可視画像では判別が難しい石を、近赤外画像では容易に判別。

米の異物検査

米の異物検査

サンプル :米
異物   :石(赤枠)・ビニール片(緑枠)
撮像波長 :1450 nm
照明方法 :反射
使用カメラ:InGaAsラインスキャンカメラ C15333-10E

サイズや色味が類似していて可視画像では判別が難しい石を、近赤外画像では容易に判別。

りんごの傷み検査

りんごの傷み検査

サンプル :りんご
撮像波長 :1450 nm
照明方法 :反射
使用カメラ:InGaAsラインスキャンカメラ C15333-10E

皮自体の濃淡によって、可視画像では判別が難しいりんごの傷みを検出。

飲料の液量検査

飲料の液量検査

サンプル :スムージー
撮像波長 :1450 nm
照明方法 :透過
使用カメラ:InGaAsラインスキャンカメラ C15333-10E

ジュースやヨーグルトなど、密閉された容器の液量を確認。

プラスチック容器の内部検査

プラスチック容器の内部検査

サンプル :カップ麺
撮像波長 :1200 nm
照明方法 :反射
使用カメラ:InGaAsラインスキャンカメラ C15333-10E

インスタント食品など、包装されたプラスチック容器の中身を確認。

パッケージの噛み込み検査(気泡)

パッケージの噛み込み検査

サンプル :グミ
撮像波長 :1000 nm ~ 1500 nm
照明方法 :透過照明
使用カメラ:InGaAsカメラ C12741-03

商品パッケージの接着部分に空気が入っていないかを確認。

 

半導体

半導体ウェーハの内部検査

半導体ウェーハの内部検査

サンプル :Siウェーハ
撮像波長 :1100 nm
照明方法 :透過
使用カメラ:InGaAsラインスキャンカメラ C15333-10E

Siウェーハの内部パターンを観察。

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その他の検査手法

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浜松ホトニクスは、試写を通じて非破壊検査における最適なソリューションを提案します。

浜松ホトニクスでは、お客様からの非破壊検査のご要望に対する事前評価として、各種X線源やセンサ、カメラによる試写を行っております。弊社は非破壊検査装置メーカーではないため、特定のメーカーの装置に偏らず最適な光源、検出器などの面からデバイス・装置の選定をお手伝いいたします。

また、最適なデバイスの紹介だけでなく、長年のビジネスで培った経験をもとに、撮影のコツやノウハウも含めた最適なソリューションを提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

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