非破壊検査|X線源

X線源とは

X線検査では、図1のように「X線源」よりX線が照射され、検査対象物を通過し「X線検出器」へと入射します。X線が対象物を透過するとき検査対象物に遮られて減衰し、X線の透過率に応じて白黒の濃淡で画像が映し出されます。X線源では、主に真空管の一種であるX線管を使用しX線を発生させています。図2ではX線源におけるX線発生の仕組みを示します。X線管には陽極(プラス)と陰極(マイナス)の電極が組み込まれています。陰極(カソード)と陽極(アノード)に高電圧をかけると、カソードから高速に放出された電子がアノードに衝突し、X線が発生します。

X線源を使用したX線検査の構成例

図1 : X線源を使用したX線検査の構成例

X線源におけるX線発生の仕組み

図2 : X線源におけるX線発生の仕組み

 

管電流と管電圧

X線源は、X線管へと流す電流・電圧により、発生するX線の量(強度)や波長(エネルギー)が変化します。

 

・管電流(A)を上げることでX線の発生量が増え、X線画像の明度が明るくなる

・管電圧(V)を上げることでX線の波長が短くなり、物質を透過しやすくなる

 

物質によって透過に必要な管電圧(V)は変わるため、対象物に合わせて適切な電圧と電流の条件設定が必要となります。

管電流・出力

管電流・出力(X線画像の明度)

管電圧

管電圧(X線透過性)

マイクロフォーカスX線源

マイクロフォーカスX線源は、ミリフォーカスX線源と比較して焦点寸法(X線光源の大きさのこと)が小さい、マイクロメートルオーダーのX線源です。X線源における焦点寸法は、画像の解像度(分解能)に直結します。X線焦点寸法が大きいほど、高幾何学倍率撮影時の半影による輪郭ボケも大きくなり、X線焦点寸法が小さいほど、輪郭ボケの小さい高精細なX線画像が得られます。

マイクロフォーカスX線源は、高幾何学倍率時でもボケの少ない高精細なX線画像の取得が可能です。

焦点寸法の違いにおける特長比較

焦点寸法の違いにおける特長比較

密封型マイクロフォーカスX線源

密封型は、本体が小型で装置への組み込みが容易なマイクロフォーカスX線源です。X線源発生部分が真空管に封止された設計であるため、お客様によるメンテナンスは不要です。一方で、X線管は使い切りとなるため、劣化と共にメーカーでの交換作業が必要となります。

密封型マイクロフォーカスX線源

開放型マイクロフォーカスX線源

開放型は、付帯設備が必要となりますが、密封型では成しえない高管電圧・高分解能な特性を有しています。また、カソード・アノード交換など消耗部品を定期的に交換することで、長期間継続使用が可能です。そのため、ダウンタイム(装置停止時間)の低減に貢献します。

開放型マイクロフォーカスX線源

関連製品

軟X線源

X線の中でも波長が長く、エネルギーの低い軟X線を発生するX線源です。小型・軽量であり、鉛を使わず樹脂板でX線の遮蔽が可能なため、硬X線よりも手軽に導入しやすいメリットがあります。透過性や精度は硬X線源より劣りますが、硬X線源ではエネルギーが強くX線が透過しすぎてしまう検査対象物や、小型かつ軟物質を小規模で検査する場合では、軟X線検査が特に有効です。

軟X線源

関連製品

その他の製品

「くるま・エレクトロニクス」「食品」「構造解析」「インフラ」「セキュリティ」をテーマに、応用例を交えながら最適な製品ラインアップをご紹介します。

試写のご案内

浜松ホトニクスは、試写を通じて非破壊検査における最適なソリューションを提案します。

浜松ホトニクスでは、お客様からの非破壊検査のご要望に対する事前評価として、各種X線源やセンサ、カメラによる試写を行っております。弊社は非破壊検査装置メーカーではないため、特定のメーカーの装置に偏らず最適な光源、検出器などの面からデバイス・装置の選定をお手伝いいたします。

また、最適なデバイスの紹介だけでなく、長年のビジネスで培った経験をもとに、撮影のコツやノウハウも含めた最適なソリューションを提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

試写のご案内

製品の購入やさらに詳しい情報についてはお問い合わせください。

  • 資料請求
  • 価格
  • 納期
  • カスタマイズ
  • サポート
  • その他

お問い合わせ

お問い合わせ内容によっては、回答にお時間をいただく場合やお答えできない場合がございますので、あらかじめご了承ください。