ORCA-Quest IQ qCMOSカメラ

C15550-23UP

ORCA®-Questシリーズの性能はそのままに、 Camera Link出力機能を搭載。

ORCA-Quest IQは、ORCA-Questシリーズが誇る低ノイズ、高解像度、高量子効率の特長はそのままに、Camera Link 出力機能を搭載したqCMOS®カメラです。お客様独自の外部機器を介した、画像演算及び周辺機器への高速なフィードバックを必要とする量子技術、補償光学技術、超解像顕微鏡において、新たな可能性を広げます。​

 

ORCA、qCMOSは、浜松ホトニクス株式会社の登録商標です。

特長

  • 読み出しノイズ:0.30 electrons (rms) ※Ultra quiet scan時
  • 画素数:4096 (H) × 2304 (V)
  • 量子効率:85 % (ピーク時 460 nm)

Camera Link 規格 Base/Full configurationに対応

2000年代初頭からの歴史をもつCamera Linkは、電気的ノイズに強いLVDS (Low Voltage Differential Signaling)を使用し、ノイズの多い環境でも安定して動作する高い信頼性をもった規格で、現在も多くのフレームグラバーボードや画像処理機器で採用されています。ORCA-Quest IQ では、お客様の多様なニーズに応えるため、Base/Full configurationに対応しています。

Base configuration *1*2

ビニング 画素数 (水平 × 垂直) 読み出し速度 (フレーム/秒)
1 × 1 4096 × 2304 7.19
2048 × 2048 16.1
1024 × 1024 64.7
512 × 512 259
256 × 256 1030
256 × 4 19 800
2 × 2 2048 × 1152 28.7
4 × 4 1024 × 576 115

Full configuration *1*3

ビニング 画素数 (水平 × 垂直) 読み出し速度 (フレーム/秒)
1 × 1 4096 × 2304 28.7
2048 × 2048 64.7
1024 × 1024 259
512 × 512 532
256 × 256 1040
256 × 4 19 800
2 × 2 2048 × 1152 115
4 × 4 1024 × 576 120

※1:Camera Link 出力機能利用時は、カメラの制御はUSB3.1 Gen1 経由に限定されます

※2:Camera Linkケーブル1 本接続

※3:Camera Linkケーブル2 本接続

ORCA-Quest からの進化

ORCA-Quest IQ は、ORCA-Questシリーズが誇る低ノイズ、高解像度、高量子効率の特長はそのままに、新たに搭載したCamera Link出力機能を搭載したqCMOSカメラです。カメラの基本性能は、ORCA-Quest 2 qCMOSカメラのページをご確認ください。

カメラトピックス

qCMOSカメラ vs EM-CCDカメラ vol.1 – フォトンカウンティングカメラの性能比較

qCMOSカメラとEM-CCDカメラの性能の違いに関する説明や、画像シミュレーションをもとにした比較等を行っています。

qCMOSカメラ vs EM-CCDカメラ vol.2 – 量子ビット状態検出

量子コンピュータの量子ビット状態検出に、最先端のCMOSカメラを活用するメリットについて紹介します。

用途

中性原子、イオントラップ

量子コンピューティングにおける量子ビット(Qubit)として、中性原子やイオンは、一つ一つ、真空中にトラップ、配列されて計算に使用されます。それらの量子状態は蛍光を発するかどうかで判定することができますが、その蛍光計測は短時間かつ低光量下で行われるため、高速かつ低ノイズな光検出器が必要となります。

ORCA-Quest 2はその低ノイズ、高速な読み出し速度から、原子アレイの全体像観測だけでなく、個々の量子ビットの状態判定を行うことが可能です。

Rb原子アレイの蛍光イメージング

Rb原子アレイの蛍光イメージング (カメラ:ORCA-Quest)

提供:大阪大学 山本俊 様、小林俊輝 様

量子光学

量子光学の研究では、光子の量子的性質を研究、利用するために単一光子源を使用します。その際に、同様に単一光子検出器が必要となり、近年では検出器に入射した光子の数を識別できる検出器の必要性が出てきています。

カメラ技術の新たなコンセプトである、光子数識別可能なカメラが、この分野で新たな発見をもたらすことが期待されています。

量子イメージングの実験系構成

量子イメージングの実験構成

量子イメージング

量子イメージング画像 (カメラ:ORCA-Quest)

提供:Prof. Miles Padgett 様 (University of Glasgow)

お客様導入事例

超解像顕微鏡法

超解像顕微鏡法とは回折限界を越える空間分解能を得るための手法を指しており、高い空間分解能を得るために低ノイズ、かつ小ピクセルサイズの科学計測用カメラを必要とします。

超解像画像 ORCA-Quest

超解像画像 ORCA-Quest

qCMOSカメラ / 4.6 μm  pixel size / 超解像システム:VT-iSIM

超解像画像 ORCA-Fusion

超解像画像 ORCA-Fusion

Gen Ⅲ sCMOSカメラ / 6.5 μm pixel size / 超解像システム:VT-iSIM

実験セットアップ(カメラ:ORCA-Quest)

実験セットアップ(カメラ:ORCA-Quest)

提供:Steven Coleman 様 (Visitech international Ltd.)

生物発光計測

近年、生物発光顕微鏡法が、従来の蛍光顕微鏡法に対して、励起光を必要としないなどユニークな特徴をもつという理由から注目を集めています。生物発光の主な欠点としては、その非常に小さい発光量が挙げられており、十分な画質の画像を取得することが難しいことにあります。そのため、生物発光の観測には長い露光時間を必要とするため、長時間露光下でも十分に高感度なカメラが必要とされます。

2波長同時発光イメージング

BRETの撮像例

NanoLuc融合たんぱく質ARRB2と、Venus融合たんぱく質V2Rが近接してBRETが起きている様子

カメラ:ORCA-Quest + W-VIEW GEMINI

対物レンズ:20×、露光時間:30 s、ビニング:4×4

顕微鏡システム外観

顕微鏡システム外観

提供:東北大学大学院薬学研究科 分子細胞生化学分野 柳川正隆 様

植物の遅延蛍光

植物は光合成のために吸収した光エネルギーのごく一部を、時間をかけて光として放出します。この現象は遅延蛍光と呼ばれています。この僅かな光を検出することにより、化学物質、病原体、環境、その他ストレス要因が植物に与える影響を観察することが可能です。

遅延蛍光

遅延蛍光(励起光消光後、10 秒経過してから10秒間露光)

お客様導入事例

ラッキーイメージング

地上から星を観察する場合、大気のゆらぎにより、星像がぼけます。しかし、短時間露光であれば、その時間内では大気が安定し、きれいな画像が得られることがあります。このため多くの画像を取得し、きれいな画像のみを位置を合わせながら積算する手法がラッキーイメージングです。

オリオン座大星雲

オリオン座大星雲 3波長フィルタを使用したカラー画像

顕微鏡システム外観

顕微鏡システム外観

補償光学

補償光学技術は、大気ゆらぎにより乱れた波面を即時に補正し、望遠鏡の性能限界における最も歪みのない鮮明な星像を得る手法です。リアルタイムかつ高精度な波面補正を実現する装置にするため、波面の乱れを測定するカメラには、高速な読み出し性能と高い分解能が求められます。また、より暗い天体やレーザ人工星など、非常に光子数が少ない状況で波面補正が行われる場合もあり、カメラには高い感度が必要となります。

補償光学で波面を補正

補償光学系

補償光学 比較

補償光学画像

提供:京都大学大学院理学研究科附属天文台 山本広大 様

お客様導入事例

X線や高エネルギー粒子のイメージング用途で、可視光に変換するシンチレータをカップリングした科学計測用カメラが使用されています。瞬間的な現象をリアルタイム検出するために、低ノイズかつ高速なイメージング検出システムを必要としています。

マウス胎仔のX線位相CT像

マウス胎仔のX線位相CT像

カメラ:ORCA-Quest / 光学系:高解像度X線イメージングユニット(M11427) / ビームライン:SPring-8 BL20B2 / 露光時間:15 ms / トータル計測時間:6.5 min

測定光学系全景

測定光学系全景

カメラ付近拡大

カメラ付近拡大

提供:高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 散乱・イメージング推進室 顕微・動的画像計測チーム 星野真人 様

お客様導入事例

物質に光を照射すると、光と物質の相互作用が発生します。このうち、入射光とは異なる波長に散乱されるものをラマン散乱と呼び、この波長を測定することにより、物質の特性を測定する手法をラマン分光と言います。ラマン分光により、分子レベルの構造解析が可能であり、これにより化学結合、結晶性等の情報が得られます。

ラインスキャン型ラマンイメージングシステムにおけるORCA-QuestとEMCCDのスペクトル比較(1画素の光量が等しい条件)

ラマン画像

ラマン画像

ORCA-Quest

qCMOSのラマンスペクトル

EM-CCDカメラ

EMCCDのラマンスペクトル

@10 photon/pixel/frame, 532 nm laser excitation

参照資料(qCMOSカメラのラマンイメージングへの応用)

ソフトウェア

浜松ホトニクスが提供する、画像取得、解析を目的としたアプリケーションソフトウェアおよび当社製カメラ専用のAPIやソフトウェア開発キットです。

仕様

型名 C15550-23UP
撮像素子 qCMOSイメージセンサ
有効画素数 4096(H)× 2304(V)
画素サイズ 4.6 μm(H)× 4.6 μm(V)
有効素子サイズ 18.841 mm(H)× 10.598 mm(V)
量子効率(typ.) 85 % (ピーク時)
飽和電荷量(typ.) 7000 electrons
読み出しノイズ(typ.) Standard scan:0.43 electrons(rms)、 0.39 electrons(median)
Ultra quiet scan:0.30 electrons(rms)、0.25 electrons(median)
ダイナミックレンジ(typ.)*1 23 000 : 1 (rms)、28 000 : 1 (median)
リニアリティエラー 0.5 %
冷却方式(ペルチェ冷却) 強制空冷(周囲温度:+25 ℃):-10 ℃
水冷(周囲温度:+25 ℃ 水温:+25 ℃)*2:-10 ℃
水冷[最大冷却(水温:+20 ℃、周囲温度:+20 ℃ 時)]*2:-25 ℃(typ.)
暗電流(typ.) 強制空冷(周囲温度:+25 ℃):0.032 electrons/pixels/s
水冷(周囲温度:+25 ℃ 水温:+25 ℃)*2:0.032 electrons/pixels/s
水冷[最大冷却(水温:+20 ℃、周囲温度:+20 ℃ 時)]*2:0.012 electrons/pixels/s
読み出しモード 全画面、デジタルビニング (2×2, 4×4)、サブアレイ
読み出し速度 (全画素読み出し時) Standard scan *3:120フレーム/秒(CoaXPress動作)、28.7フレーム/秒(Full Configuration)*4、7.19フレーム/秒(Base Configuration)*4
Ultra quiet scan:25.4フレーム/秒(CoaXPress動作)、25.4フレーム/秒(Full Configuration)*4、7.19フレーム/秒(Base Configuration)*4
露光時間 Standard scan *3:7.2 μs~1800 s
Ultra quiet scan:33.9 μs ~ 1800 s *5
外部トリガ入力モード エッジトリガ、グローバルリセットエッジトリガ、レベルトリガ、グローバルリセットレベルトリガ、読み出し同期トリガ、スタートトリガ
トリガ遅延機能 0 μs ~ 10 s(1 μs ステップ)
トリガ出力 グローバル露光タイミング出力、エニーロー露光タイミング出力、トリガレディ出力、プログラマブルタイミング出力×3系統、ハイ出力、ロー出力
マスターパルス パルスモード:内部同期 / スタートトリガ / バースト
パルス間隔: 5 μs ~ 10 s in 1 μs ステップ
バースト回数: 1 ~ 65 535
デジタル出力 16 bit、12 bit、8 bit
画像処理機能 欠陥画素補正(ON-OFF 可能、白点補正3段階選択可)
インターフェース USB 3.1 Gen 1*6、CoaXPress (Quad CXP-6 )
画像出力専用インターフェース *7 Camera Link (SDR-26):Base Configuration / Full Configuration
トリガ入力コネクタ SMA
トリガ出力コネクタ SMA
レンズマウント Cマウント
電源 AC 100 V ~ AC 240 V、50 Hz/60 Hz
消費電力 約155 VA
動作周囲温度 0 ℃ ~ +35 ℃
動作周囲湿度 30 % ~ 80 %(結露しないこと)
保存周囲温度 -10 ℃ ~ +50 ℃
保存周囲湿度 90 %以下(結露しないこと)

※1:飽和電荷量とUltra quiet scan時の読み出しノイズから算出します。

※2:冷却水の水量は0.46 L/分です。

※3:エリア読み出しのみです。

※4:USB I/Fを使用した場合、画像はUSB I/FとCamera Link I/Fの両I/Fから同時に出力され、フレームレートはCamera Link I/Fの速度に制限されます。フル解像度で、17.6フレーム/秒のデータ容量を超えると、USB I/Fでの出力画像にフレームの欠落が発生します。

※5:グローバルリセットエッジトリガ及びグローバルリセットレベルトリガでは、露光時間の最小は67.8 μsです。

※6:USB 3.0 Gen 1と同等です。

※7:USB I/F経由でのカメラ制御を行った場合のみ、Camera Link I/Fから画像が出力されます。Camera Link I/F経由でのカメラ制御は行えません。

分光感度特性

分光感度特性

外形寸法図

関連資料

技術資料(旧モデル、ORCA-Quest用)

アプリケーションノート

科学計測用カメラ特集サイト

科学計測用カメラの情報を掲載する当社の特集サイトです。

カメラの種類や性能は多岐に渡るため、各アプリケーションに応じてベストなカメラを選定することが重要です。

カメラの性能を十分に理解し、選定いただくための技術情報やシミュレーションツールを始め、実際のアプリケーションでの利用例も掲載しています。

シミュレーションラボ

産業用・研究用途でカメラを用いる場合、撮影する対象の波長や光量など、様々な条件を考慮してカメラを選定する必要があります。

 

弊社では、シミュレーション画像を確認しながら直感的にカメラの性能によるイメージングの結果の違いなどを比較できるツール「カメラシミュレーションラボ」を提供しています。

c15550-20UP カメラシミュレーションラボ

カメラアプリケーション事例集

「放射光科学が解き明かす小惑星「リュウグウ」の物質構造 」カメラアプリケーション事例集

太陽系が誕生したとされている46億年前の水や有機物が今もなお存在していると推測されている小惑星「リュウグウ」。そのサンプル分析を世界有数の実験施設「SPring-8」で担当された高輝度光科学研究センター上杉健太朗氏に、放射光を用いた分析方法や分析の成果、放射光科学の展望についてお伺いしました。本事例集では、上杉氏へのインタビューと放射光イメージングに適した弊社のカメララインアップを掲載しています。

天文学者への貴重なインタビューやカメララインアップを掲載「Astronomy カメラアプリケーション事例集」

未知の天体や天文現象の発見・探求のため、様々な研究が行われている天文学。 そのアプリケーション事例と各用途に適した弊社のカメラを一冊にまとめてご紹介しています。

 

ORCA-Questを導入したお客様の導入事例記事を公開しています。量子、ライフサイエンス、分光などのさまざまなアプリケーションを紹介しています。

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