コーポレートガバナンス

 

基本的な考え方と経営理念

当社は、コーポレート・ガバナンスの基礎として「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を策定して、その冒頭で下記の経営理念を掲げています。

【当社グループの経営理念】

私たちは、光には無限の可能性があると確信しています。
光技術は様々な産業を支える基盤技術としてさらなる進化が求められていますが、光の本質はいまだ解明されていません。光の未知未踏領域を追求し、そこから生まれる知識や新技術に基づいた新しい産業を創造し、科学技術の進歩とより豊かな社会・環境の実現、人類の健康と幸福に貢献します。この挑戦を続けるため、持続的かつ安定的な高収益体制の構築とともに、積極的な研究開発投資や設備投資を行い、業容の拡大と企業価値の向上を目指します。
人・技術・知識が当社の経営基盤です。社員一人ひとりが日々の仕事を通じて研鑽し、「和」の精神のもと、グローバルな視点で総合力を発揮できる企業風土を醸成します。


■ Mission(わたしたちの使命・約束)
Photon is our business
 ・科学技術の進歩とより豊かな社会・環境の実現に寄与
 ・人類の健康と幸福に貢献


■ Vision(わたしたちの志)
 ・光の未知未踏領域を追求
 ・光技術を用いた新しい産業の創造


■ Values(わたしたちの価値観)
 ・挑戦 ~できないと言わずにやってみろ!~

 

なお、この「コーポレートガバナンスに関する基本方針」は取締役会にて制定・改定をしております。

 

浜松ホトニクス株式会社のコーポレートガバナンスに関する基本方針

 

コーポレートガバナンス報告書(2024年6月12日更新)

コーポレートガバナンスの基本体制

当社は監査役会設置会社を採用しており、2023年12月22日現在、取締役10名(うち4名は社外取締役)、監査役4名(うち2名は社外監査役)となっております。

 

当社の監査役会は、元当社従業員である監査役2名と社外監査役2名から構成されており、実際の監査におきましては会計監査人とも連携をすることで、監査の実効性を確保しております。元当社従業員は当社の企業風土を継承しております。企業文化と業務内容を理解したうえで独任制機関として監査を行うことが当社の継続的な発展に必要と考えており、当社は監査役会設置会社を維持してまいります。

【当社のコーポレートガバナンス体制の模式図】

取締役会

取締役会は株主総会を除くと会社の意思決定の最高機関になります。当社は取締役会規則を制定するとともに、職務権限規定にて付議基準を定めております。なお、取締役会は毎月一回の定例開催と機動的な随時開催を行い、迅速な意思決定と透明性の確保に努めるとともに、取締役の業務執行の監督をしております。また、充実した議論がされるよう、取締役会の会日に先立って、取締役会決議事項に関する資料を取締役及び監査役に配布しております。

監査役会

監査役会は一事業年度あたり概ね6回開催しております。各監査役は、監査役会で定めた監査の方針及び実施計画に従い、取締役会をはじめとした社内の重要会議に出席して経営の執行状況を把握するほか、経営執行部門から業務執行状況を聴取することで取締役の業務執行の監査を行っております。また、会計監査人とは定期的にあるいは必要に応じて随時会合を行い情報交換を実施しております。

指名報酬委員会

当社は、2021年7月に指名報酬委員会を設置いたしました。当社の指名報酬委員会は任意の委員会で、諮問機関として位置づけております。運営に際しましては、指名報酬委員会規定により、委員の過半数を社外取締役にするとともに、その答申を尊重する旨を明確にいたしました。取締役候補者の指名や取締役の個別報酬額は最終的に取締役会にて決定いたしますが、この取締役会の決定について公正性・透明性・客観性を確保することで、コーポレートガバナンスの充実に継続的に取り組んでおります。

【委員の構成】

社内取締役 代表取締役社長 丸野 正(委員長)
取締役会長 晝馬 明
取締役副会長 鈴木 賢次
独立社外取締役 社外取締役 鯉渕 健
社外取締役 栗原 和枝
社外取締役 廣瀬 卓生
社外取締役 美濃島 薫

【第76期(2022年10月~2023年9月)の活動状況】

・開催回数:3回

・主な審議内容:短期業績連動報酬の導入検討、取締役候補者の選任

社外取締役及び社外監査役について

当社は、1987年(昭和62年)から社外取締役を選任しており、2015年(平成27年)には2名体制に、2020年(令和2年)には3名体制に、さらに2021年(令和3年)には4名体制にいたしました。当社は社外取締役に対して、技術と経営に対する高い見識を求めております。また、社外監査役も1987年(昭和62年)より選任しており、2004年(平成16年)からは2名体制をとっております。なお社外監査役の中には、財務及び会計に関する相当程度の知識を有する人材を選任しております。また、社外取締役及び社外監査役の選任にあたりましては、独立性を担保するため利害関係を表示することとしており、これにより透明性を高め、株主の理解を得るように努めています。

 

一方、社外取締役及び社外監査役は会社の内部情報が不足する懸念があり、取締役会等に来社されてその場で決議事項に関する判断をすることは困難を極めることもあります。そこで、社外取締役及び社外監査役が取締役会におきましてその機能を十分に発揮していただくため、
・取締役会資料(決議事項)の事前配布
・必要に応じて、事前に議案内容の説明
・監査役の見解を報告
などの対応をとっております。

【社外取締役及び社外監査役との連絡窓口 担当役員】
野﨑 健(常務執行役員 経営企画統括本部 統括本部長)

株主総会

当社は9月決算のため、毎年12月中下旬に株主総会を開催しております。株主総会には毎年多くの株主の皆様に来場いただいておりますが、株主総会の活性化、議決権行使の円滑化に向けて、次のような取組みを行っております。

  • 株主総会招集通知を株主総会の3週間以上前に発送するとともに、ホームページ上ではさらに前倒しで開示しております。
  • 機関投資家の議決権行使に便宜を図るため、議決権電子行使プラットフォームに参加しています。(2006年9月期より)
  • 議決権行使書の電子化を採用しております。(2006年9月期より)
  • 英文招集通知の提供をしております。

【株主総会出席者数の推移】

執行役員制度の導入

当社は、取締役会の活性化、経営の意思決定の迅速化、取締役会の監督機能強化などを目的に、2020年(令和2年)12月に執行役員制度を導入いたしました。
これにより、取締役会では将来計画、事業部戦略、投資M&Aなどの本質的な議論に時間を割くとともに、監督者の立場が強化されます。また、従来取締役会にて決定していた事項の多くは執行役員又は執行役員会に移譲され、当社のコア事業の拡大を目指して機動的な意思決定が可能となります。
執行役員会は毎週一回開催しております。執行役員会の前半は、執行役員、監査役、理事及び部長以上の管理職にて構成されており、情報の共有化に加え、執行役員会決議事項を除く重要事項を多角的に検討しております。また執行役員会の後半は、執行役員、監査役及び理事をもって構成され、取締役会から委譲された事項の決議をするとともに、会社の本質的な事項についての協議を行います。

 

取締役会の実効性評価

当社は、取締役の実効性を確保するため、2016年(平成28年)より継続的に取締役会の自己評価を実施しております。対象は全取締役及び全監査役で、取締役会の構成、運営、責務などについて5段階評価及び自由記述方式によるアンケートを用いています。そして、集計後に結果を取締役会にて報告しており、適宜取締役会の運営方法などの改善に用いております。
なお、2020年(令和2年)9月以降におきましては、透明性・客観性を高めるため、実効性評価を第三者に外部委託しました。

役員向けトレーニング

当社は、取締役としての職責を果たすため、取締役及び監査役が自らトレーニングを行うことを推奨しております。加えて、外部者を招いたトレーニングも実施しております。

【役員向けトレーニングの例】

 2023年:経営指標について
 2022年:腐敗防止
 2021年:改定コーポレートガバナンスコード
 2021年:ESG経営
 2019年:特許侵害訴訟
 2019年:資本コスト
 2018年:取締役の義務と責任

取締役及び監査役候補者

当社の取締役の任期は1年、監査役の任期は4年で、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議によって選任する旨を定款で定めております。

(注)第74期定時株主総会(2021年12月開催)におきまして定款を変更し、取締役の任期を2年から1年に短縮いたしました。

 

当社では、取締役候補者は光に関する知見と探究心を有し、新産業に向けたベンチャー精神にあふれ、それらを実行にうつすための改革力、リーダーシップ、そして「和」の精神をもつ人材が適任であると考えています。そのうえで、コーポレートガバナンスに関する基本方針第13条に定めているように、性別その他取締役会の構成の多様性を考慮しつつ、これまでの業績・実績、見識、人格、さらには倫理観等を総合的に勘案して候補者をリストアップし、指名報酬委員会に諮問した上で、取締役会にて候補者を選定しております。また、社外取締役には女性を選任しており、女性活躍・活用の点からの助言もいただいております。

 

一方監査役につきましては、独立した客観的な立場からその職責を果たすことを求めており、優れた人格、見識、能力及び豊富な経験とともに、高い倫理観を有している者を候補者としております。また、最低一名は財務・会計に関する適切な知見を有している者を選任しております。

 

なお、第70期定時株主総会(2017年12月開催)より、社内/社外にかかわらず、招集通知参考書類に取締役候補者とした理由を開示しております。

取締役候補者の決定

当社は、取締役候補者の決定にあたり、公正性・透明性・客観性を高めて株主の皆様の信頼を得るため、取締役候補者を指名報酬委員会に事前に諮問し、同意をいただいております。なお、当社の指名報酬委員会は過半数を社外取締役とすることを指名報酬委員会規定により規定しています。また、指名報酬委員会の答申を尊重する旨も明確にしています。

後継者の育成

企業の社会的責任そして永続性をふまえますと、社長だけでなく取締役の後継者の育成は重要事項であると考えています。しかし、後継者の育成は確固としたプログラムがあるわけではありません。

 

そのような中、当社は創業間もない頃から続く特徴として、“部門”という小さな製造グループ単位で採算をとることを求めています。この小さな部門が集まって製造部になり、製造部が集まって事業部になりますが、各単位において収益を意識した経営を実践することを各単位の責任者に求めております。このような中から経営者としての意識、資質を身につけるようになっています。

取締役の報酬体系

当社の役員の報酬は、次のとおりです。

【役員報酬データ】

取締役の報酬 固定報酬 年額720百万円以内
( うち社外取締役年額120百万円以内 )
2023年12月22日開催の第76期定時株主総会にて決議
短期業績連動報酬
譲渡制限付株式報酬 年額200百万円以内
( 社外取締役を除く)
2019年12月20日開催の第72期定時株主総会にて決議
監査役の報酬 固定報酬 月額10百万円以内 2021年12月17日開催の第74期定時株主総会にて決議

【報酬ポリシー】

光には無限の可能性があるという確信のもと、当社は、光の未知未踏領域を追求し、そこから生まれる知識や新技術に基づいた新しい産業を創造し、科学技術の進歩とより豊かな社会・環境の実現、人類の健康と幸福に貢献することを目指しております。

このような理念は短期的に達成できるものではありませんので、当社は取締役に対し短期的ではなく中長期的視点での成果を求めており、報酬に関しましても固定報酬を基本とすることが適切であると考えております。

加えて 、株主の皆様の付託に応えるためには、毎期安定した業績向上を達成する必要があることもふまえて短期業績連動報酬を導入いたしました。

一方で、株主の皆様と同じ目線に立ち長期的な観点から持続的な企業価値の向上に資することを目的として株式報酬(譲渡制限付株式報酬)を導入しております。

この結果、当社の取締役(社外取締役は除く)の報酬は、(1)固定報酬、(2) 短期業績連動報酬及び(3)株式報酬からなります。そして、中長期的視点を重視することから、これらの比率を概ね70:15:15(注)の割合を基準として構成しております。なお、社外取締役に対する報酬は固定報酬のみとなります。

(注)短期業績連動報酬は各期の業績により増減をいたします。そのため実際の割合は変動いたします。

従業員兼務役員は、従業員としての給与支給との関係でこの限りではありません。

当社の取締役の報酬制度の概要は以下のとおりです。

 

1.指名報酬委員会の関与

当社の取締役の報酬は、社外取締役が過半数を占める指名報酬委員会に諮問され、取締役会にて個人別に決定しております。なお、当社の指名報酬委員会規定では、指名報酬委員会の答申を尊重する旨を規定しています。

 

2.各報酬の概要

当社の取締役報酬は、(1)固定報酬、(2)短期業績連動報酬及び(3)株式報酬からなり、基準値の比は70:15:15とします。そして、業績に応じて短期業績連動報酬が変動します。

以下に、各報酬の概要を記載します。
 

(1)固定報酬

月次の固定報酬額は、外部機関による調査などを通じて他社水準を考慮したうえで、役位ごとに決定します。なお、社外取締役に対する報酬は固定報酬のみとなります。
 

(2)短期業績連動報酬

短期業績連動報酬は、各期の業績をふまえて取締役会にて個人別に決定します。具体的な決定方法は次のとおりです。

① 短期業績連動報酬の指標は連結営業利益とします。連結営業利益の前期実績と当期実績を比較して、その増減に基づき別途定める係数(役位により異なります)を役位別の基準額にかけたうえで毎年12月に支給します。

② 連結営業利益の前期比に基づく係数は、前期比 △5 %以上 + 5 %未満の場合を「1」として短期業績連動報酬を支給します。この場合に取締役報酬の比率は概ね70:15:15(基準値)になります。なお、さらなる業績向上のためのインセンティブとするため、係数は連結営業利益の前期比の ±30 %の幅で変動させます。逆に、連結営業利益の前期比が △30 %未満の場合は短期業績連動報酬は支給しません。
 

(3)株式報酬

株式報酬は、基準値において取締役報酬総額の概ね 15 %となるよう割合を定めており取締役会にて個人別に決定し、割当日より 30 年間の譲渡制限期間を付して、事前に支給します。

役員の構成

(注)当社は、社外取締役及び社外監査役の全員を東京証券取引所の有価証券上場規程に定める独立役員として、東京証券取引所に対して届出をしております。

利益相反防止

当社の役員及び従業員は、正当な理由なく、個人のために会社の利益と対立する行為(利益相反、潜在的なものを含む)を行いません。