THz PMTモジュール

H17362

H17362は、THz波-電子変換にメタサーフェス技術を活用し、THz波領域に感度を有した光電子増倍管 (PMT)モジュールです。コンパクトな筐体にTHz PMTと駆動回路、高圧電源を内蔵したTHz PMTモジュールです。パソコンにUSB接続するだけで動作させることが可能です。光学定盤上に簡単に取り付け可能なアタッチメントと光学部品を取り付け可能なCマウントアダプタが付属されています。光電子増倍管の取り扱いが初めての方でも簡単に取り扱うことができます。

特長

  • 高速応答(数ns)
  • 非線形応答特性による微小変化計測
  • テラヘルツ波電界強度の直接計測

増倍原理

  1. THz波がTHz PMTの有効エリアに入射
  2. THz波の電界強度に応じて、メタサーフェスから電界電子放出により電子が真空中に放出される
  3. ダイノードによって収集された電子が10万~100万倍に増幅される
  4. アノードに読み出し系を接続することで、増幅された信号電流の計測が可能

THz PMT 原理

出力特性

下記のグラフはTHz PMTの入出力特性を示しています。

外部光電効果を利用した通常のPMT/I.Iでは入射光に比例した信号電流が得られるのに対し、電界電子放出を利用したTHz PMT/I.I.では入射THz波に応じて信号電流が非線形に増減します。

線形応答の検出器では検知が困難なわずかな入射THz波の違いを、明確に検出することができます。

分光特性

このグラフは各THz波周波数に対するTHz PMTの応答特性を示しています。

1 THz付近に最も強い応答を示し、0.5 ~ 2.0 THzの広い範囲に感度があります。

水蒸気による吸収が起こる周波数では入射THz波が減衰し、それに伴ってTHz PMTの信号強度も小さくなっている様子がわかります。

偏光特性

THz PMTおよびTHz I.I.はアンテナによる電界放出を検出原理としているため、入射THz波の偏光方向によって応答が変化します。

下記のグラフは各偏光方向に対するTHz PMTの応答特性を示しています。この特性を利用して入射THz波の偏光方向を計測することも可能です。

θ=90 deg

THz波水平偏光

θ=0 deg

THz波垂直偏光

焦点位置の計測を考慮したモジュール設計

入射THz波を光学レンズなどで絞っている場合、その電界振幅強度は焦点位置において最も強くなります。

THz PMTモジュールは、光学ロット取付穴の真上に検出面がくるように設計されているため、容易に焦点位置を計測することが可能です。

動作用ソフトウェア

H17362は、モジュールとPC端末をUSB接続することで、PMTモジュールを駆動させることができます。下記のリンクからデバイスドライバとサンプルソフトウェアをダウンロードできます。

ダウンロードはこちら

仕様

項目 H17362 単位
構成内容 メインユニット、Cマウントアダプタ、ロッド取り付けプレート
入力電圧 USBバスパワー(+4.75 ~ +5.25) V ac
消費電流 0.1 A
光電面 メタサーフェス
有効エリア 6 x 6 mm
窓材 石英ガラス
ダイノード 構造 ラインフォーカス型
段数 10
電界しきい値*1 Typ. 5 kV/cm
推奨波長範囲 0.5 ~ 2.0 THz
上昇時間*1 1.6 ns
動作周囲温度 +5 ~ +50
保管周囲温度 -20 ~ +50
動作/保管周囲湿度*2 85以下
対応OS Windows 10/11

*1: PMT供給電圧 -1500 V, THz周波数 1.05 THz

*2: 結露なきこと

外形寸法図(単位:mm)

H17362 外形寸法図

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