世界最長、波長 2.55 μmの近赤外光までエリア検出可能  

ハイパースペクトルカメラ向けInGaAsエリアイメージセンサを開発  

2019年7月1日から受注開始

当社は、長年培った化合物光半導体の製造技術により、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)を材料とするエリアイメージセンサとしては世界最長となる波長2.55 µmの近赤外光まで検出できる撮像素子「G14674-0808W」を新たに開発しました。本製品をプラスチックのリサイクル用途向けのハイパースペクトルカメラに組み込むことで、これまで識別が難しかった難燃性樹脂が含まれているプラスチックも選別でき、リサイクル率向上につながると期待されます。
本製品は、7月1日(月)から国内外の産業用カメラメーカーに向け受注を開始します。
なお、本製品は、6月12日(水)から6月14日(金)までの3日間、パシフィコ横浜で開催される、国内外の画像処理機器とセンシング技術が集う「画像センシング展2019」に出展します。

主な特長

1) 世界最長、2.55 µmの近赤外光まで検出できるInGaAsエリアイメージセンサ

都田製作所第3棟に新規に導入した設備を利用し、InGaAsの受光部に含まれるInAsとGaAsの組成比を最適化するとともに受光部の製造工程を見直しました。この結果、受光部に生じる欠陥を減らすことに成功し、世界最長となる2.55 µmの近赤外光まで検出できるInGaAsエリアイメージセンサを実現しました。
 

2) 受光部に生じる暗電流を低減

本製品に最適化した回路を自社で設計、製造し、受光部の電極間にかかる電圧の差をゼロに近づけることができる回路方式の採用に成功しました。この結果、受光部に生じる暗電流の発生を低減しました。
 

3) 信号の読み出し速度を向上

本製品に最適化した回路を自社で設計、製造し、回路構成を小型化したことで電気信号を伝達する経路を短くでき、信号の読み出し速度を現行品の2倍以上まで高めました。
 

ラインアップ

2.55 μmまで感度をもつG14674-0808Wをはじめ、感度波長範囲の異なる計4製品を同時にリリースします。

型名 感度波長範囲 総画素数 画素ピッチ 冷却 暗電流 フレームレート
NEW G14671-0808W 0.95 ~ 1.69 μm
(15 ℃)
320 × 256 画素 20 μm 2段電子冷却 0.03 pA 507 fps max.
NEW G14672-0808W 1.12 ~ 1.85 μm
(-20 ℃)
0.3 pA
NEW G14673-0808W 1.30 ~ 2.15 μm
(-20 ℃)
3 pA
NEW G14674-0808W 1.70 ~ 2.55 μm
(-20 ℃)
30 pA

分光感度特性

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