ライトシートを用いてマイクロプレートの細胞の3次元蛍光像を得る「Zyncscan™」技術を開発

  • 浜松ホトニクス株式会社 システム営業推進部

浜松ホトニクスは、細胞の蛍光アッセイを行うためのマイクロプレートをx-z平面のライトシート光でスキャンして細胞の3次元蛍光像を得る「Zyncscan™」技術を開発しました。
この技術はライトシート方式を用いたx-z平面のスキャンによって96/384/1536ウエルのマイクロプレートの全ウエルを、底面からの厚さ100-300 μm、ボクセル解像度はx,y軸:2-3 μm、z軸:6-7 μmで一色あたり数分の速さでスキャンを可能にします。また、バックグラウンド蛍光の除去を目的とした培地/試薬などの除去を行うことなく細胞の蛍光画像を取得することも可能にします。

CYTOQUBE

CYTOQUBE®(ライトシートマイクロプレートサイトメータ) Zyncscan™技術を搭載したプロトタイプ

開発の背景

創薬・医薬品開発においては、初代培養細胞、患者由来細胞、ヒトiPS細胞由来疾患モデル細胞の使用、あるいは異なる種類の細胞の共培養系やスフェロイドやオルガノイドなどの3次元培養系など、生理的条件をより適切に反映した細胞培養モデルを用いて実験することに対するニーズが急速に大きくなっています。このような複雑な細胞培養モデルを用いたフェノタイプアッセイやスクリーニングあるいは3次元蛍光像の取得は主に蛍光顕微鏡イメージングを搭載した機器を用いて行われていますが、96/384/1536ウエルプレートを用いた多数の細胞試料の測定・解析や細胞の3次元蛍光像の取得には多大の時間と労力を要するため、実験のスループットが上がらないことが研究・開発の発展の妨げとなる状況が生まれ始めており、細胞試料の多様化に対して測定機器の発展が追い付いていないのが現状です。
我々は、複雑・不均質な2次元あるいは3次元細胞試料における様々なフェノタイプアッセイや蛍光像の取得をハイスループットで実現するために、マイクロプレートをx-z平面のライトシート光でスキャンすることを核とする新しい技術「Zyncscan™」を開発しました。

Zyncscan™技術の原理

Zyncscan™技術は、x-z平面のライトシート光でスキャンしてマイクロプレートのウエル内を高速に3次元蛍光像を取得するハードウエア技術と、その3次元蛍光像からシグナルとバックグラウンド蛍光を超高レベルに分離するアルゴリズムを融合した弊社独自の技術です。原理ほか詳しくは以下の動画をご覧ください。

Zyncscan™技術の原理

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