紫外線による殺菌・不活性化
浜松ホトニクスの紫外線検出技術

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界経済に深刻な影響を与えているだけでなく、私たちの生活様式をも変えようとしています。そのような中で、紫外線による殺菌技術に大きな注目が集まっています。
紫外線殺菌は、すでに医療機関や食品加工のほか、水殺菌の分野で導入されていましたが、コロナ禍をきっかけに、店舗や宿泊施設、空港などでの利用が進められています。

細菌やウイルスなどの微生物中で遺伝子情報を保有するDNAやRNAは、260 nm近辺の光により破壊・不活化され、増殖が妨げられるとされています。この不活化のために必要なエネルギーは波長ごとに線量で表され、また微生物の種類により異なります。

線量は、照度と時間の積で求められます。
線量(J/m2) = 放射照度(W/m2) × 時間(sec)

従って、一般的に照度が2倍の光源を使用すれば、照射時間を2分の1にしても同じ効果が得られることとなります。また、照度は光源と対象物との距離によって変化し、距離の2乗に反比例します。つまり、距離が2倍になると、照度は4分の1になることに注意が必要です。

紫外線光源を使用した除菌・殺菌システムの構築には、これら光源の特性を、正確に理解することが必要となります。

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