レーザ核融合実用化のマイルストーン達成に向け前進
100Jのパルスレーザを10Hzの高繰り返し周波数で出力成功
基礎科学分野への貢献にも期待

2023年01月12日
  • 浜松ホトニクス株式会社
    本社:浜松市中区砂山町325-6
    代表取締役社長:丸野 正(まるの ただし)

100J のパルスレーザを10Hz で出力する装置の外観

100J のパルスレーザを10Hz で出力する装置の外観

 浜松ホトニクスは、パルスレーザ装置のレーザ媒質(※1)を冷却する能力を高めるとともに、励起(※2)用半導体レーザ(LD)モジュールの出力を最適化することで、エネルギーが100ジュール(以下J)のパルスレーザを10ヘルツ(以下Hz)と高い繰り返し周波数で出力することに成功しました。
 レーザ核融合の実用化には、1MJと高エネルギーのパルスレーザを10Hzと高繰り返しで核融合燃料に照射する必要があります。このため当社は、1kJのパルスレーザを10Hzで出力する技術の確立を重要なマイルストーンとしており、本研究成果により、その達成に向け前進しました。また、基礎科学の分野での新たな研究へ貢献できると期待されます。
 本研究成果は、2023年1月18日(水)から1月20日(金)までの3日間、ウインクあいち(名古屋市中村区)で開催される「レーザー学会学術講演会 第43回年次大会」のシンポジウムおよび一般講演にて発表します。


 ※1 レーザ媒質:外部からのエネルギーを蓄え、そこを通過するレーザにエネルギーを与え増幅させる物質。
    ※2 励起:原子や分子が光を吸収した高いエネルギーの状態のこと。