EBエンジン

L12978

低エネルギー電子線照射源EB-ENGINEは加速電圧を50 kV ~ 70 kVまで可変でき、300 mm幅試料への均一な電子線照射が可能です。照射源を並列配置することにより、幅広なフィルムなどへの一括照射や、縦横に配置することにより立体構造物にも対応可能です。

■特長
加速電圧:50 kV ~ 70 kV
管電流:0.1 mA ~ 8.0 mA
有効照射幅:300 mm
照射能力:90 kGy・m/min/mA

 
 

低エネルギー電子線の特長

電子線処理の効果比較

 

 

●薄膜や材料表面への高い処理効果

低エネルギー電子線は対象となる薄膜や材料表面への高い処理効果(エネルギー効率)を実現します。また、深部への電子線の透過がないため、意図していない材料内部のダメージ(劣化)がありません。

ライン構築

 

 

●容易なライン構築

低加速電圧化により電子線照射源の小型軽量化、X線遮へい設備の簡易化を実現しました。従来の電子線照射源の場合は大掛かりな設備導入が必要でしたが、EB-ENGINEはライン構築が容易で、既存ラインへの後付け設置も可能です。

低コスト化比較

●大幅な低コスト化

X線遮へい設備の簡易化により導入におけるイニシャルコストを大幅に削減できます。また、高いエネルギー効率と低加速電圧化により省電力化を実現したことで、ランニングコスト削減も実現します。

 

電子線処理効果と応用

架橋

架橋

電子線が高分子主鎖間の結合を促して構造変化をさせることで、機械的強度向上や耐熱性/耐久性の向上といった高機能化を実現します。
添加剤やコーティング剤を使用せずに材料や部品に付加価値を与えることが可能です。

キュアリング

キュアリング

電子線が分子間の結合を促してネットワークを形成することで、インキの乾燥やコーティング剤/接着剤の硬化等を実現します。
反応開始剤(化学物質)を必要としない環境負荷低減を実現した手法です。また、熱や臭気を抑えられるため製造工程における作業環境改善にも貢献します。

滅菌

滅菌

電子線が直接生物のDNAなどにダメージを与える直接作用や、電子線が細胞中の水分子と化学反応を起こすことで発生するラジカルが生物のDNAなどにダメージを与える間接作用により、微生物(細菌類)が死滅します。
化学薬品を使用せず、高い滅菌効果が得られます。医療用途・食品用途をはじめ、さまざまな分野に貢献します。

グラフト重合

グラフト重合

Graftとは「接ぎ木」という意味があり、高分子材料などに電子線を照射し、分子間の結合を切断させラジカル(活性種)を発生させます。その部分に新たに別の高分子、または低分子材料を合成(接ぎ木)させます。このような反応をグラフト重合と呼び、樹脂部材やフィルム材料の表面改質、または特殊糸や布などの繊維材料に応用されます。

 

電子線照射応用分野

自動車(イメージ)

自動車

自動車で使用される材料・部品等の表面改質、機能性付与や架橋による特性向上を通じ、自動車の性能アップに貢献します。

具体的用途

  • ゴム系、電装系、骨組系の耐久性/耐熱性向上
  • 燃料電池の高効率化/低コスト化
  • 材料の親水性付与/密着性向上
  • 内装・外装材料の耐摩耗性/耐擦傷性向上

 

医薬・医療品、食品(イメージ)

医薬・医療品、食品

電子線を用いた容器・器具の低温・ドライ滅菌処理、又は表面改質、グラフト重合を応用した特殊材料の生産が可能となります。

具体的用途

  • 外装滅菌(製造工程 最終段階[梱包前])
  • 内部滅菌(薬液充填前)
  • 低分子量成分のマイグレーション低減
  • 親水性・撥水性の制御による薬液残りの防止

 

印刷(イメージ)

印刷

EBインキは反応効率が高く高速乾燥が可能、さらに光重合開始剤が不要で臭気、VOC排出、マイグレーションを低減させることができます。

具体的用途

  • EBインキの乾燥
  • ピニング(仮乾燥)後のUVインキの乾燥
  • UVインキでは乾燥し辛い透明、白インキの乾燥

 

半導体製造(イメージ)

半導体製造

前工程におけるSiウェハのドライ洗浄、レジスト、誘電体、絶縁層などの各種薄膜の特性改善に応用が可能です。

具体的用途

  • Siウェハの表面洗浄
  • レジスト層のEBキュア、架橋による特性改善
  • Siウェハ、各種層の表面改質
  • 半導体の各種パッケージ、基板を架橋させることで耐熱性、耐久性向上
  • 導電ペースト・インキの乾燥

 

 

テスト照射ご案内

EB照射テスト装置

低エネルギー電子線照射装置

弊社デモルームにて立会い実験、サンプル預かり実験を行っております。様々な電子線照射条件を設定可能です。
ご要望の方は弊社ウェブサイトよりお問い合わせください。

テスト照射装置機能

  • 加速電圧設定(50 kV ~ 100 kV)
    :照射対象物に応じて加速電圧を調整することが可能
  • 酸素濃度調節(5000 ppm ~ 0 ppm)
    :生産ラインを想定した酸素濃度条件における効果の確認が可能
  • 大型照射チャンバー
    :大型のサンプル、立体物に対しても電子線照射が可能
  • 加熱ヒーター搭載(Max 400 ℃)
    :照射対象物を加熱しながら電子線照射可能
  • PC制御
    :照射条件等(加速電圧、管電流、ステージ速度、加熱温度)はPCで簡単に制御可能
  • 大型ステージ搭載(300 mm×280 mm)
    :サイズ300 mm×280 mmのステージ搭載
 

シミュレーションサポートご案内

シミュレーション画像

3次元モンテカルロシミュレーションにより、さまざまな電子線照射条件(加速電圧、管電流、照射距離)における被照射物内部の線量分布を任意の厚さで計算することができます。
立会い実験での電子線照射条件設定や実験結果の検証等、低エネルギー電子線照射プロセス設計をサポートしております。

 

Q & A 集


設置に関する届け出、設計について設置に関する届け出、設計について

EB-ENGINEを扱う為に放射線に関係する特殊な資格は必要ですか?

EB-ENGINEを搭載した装置は「荷電粒子を加速する装置」として電離放射線障害防止規則が適用されますが、装置外側における外部放射線の実効線量が3ヶ月間に1.3 mSv を超えない様に遮蔽されている場合には、装置外側に管理区域を設定する必要がなくなるため、装置の使用にあたってエックス線作業主任者資格は必要ありません(※)。また、EB-ENGINEは放射線障害防止法の定める放射線発生装置に該当しないため、放射線取扱主任者資格は必要ありません。
(※)装置外部への管理区域の設定に関しては、「電離放射線障害防止規則」、および「基発第253号:労働安全衛生規則及び電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令の施行等について3-(6)」をご参照ください。
 

EB-ENGINEの設置にあたり届出等は必要ですか?

設置工事開始日の30日前までに所轄の労働基準監督所署長への届出が必要になります。届出に関するご相談を弊社にて承ります。
EB-ENGINEは荷電粒子を加速する装置であり、労働安全衛生法第88条第1項の「計画の届出」に規定された装置に該当します。使用事業者は装置設置に当たり、設置工事開始日の30日前までに所轄の労働基準監督所署長への届出が義務付けられています。
 

エックス線遮蔽に関してはどのように設計すればよいですか?

ご購入を検討されるお客様には届出や遮蔽設計に関するご相談を承ります。
 

製品購入に際して別途必要な設備はありますか?

電源(AC 100 V, 15A)の他、窒素ガス(純度:99.9%以上、流量:50 L/min以上、圧力:0.3~0.5MPa)が必要です。
電子線照射窓の冷却と照射室内の雰囲気置換のために、窒素ガス(純度:99.9%以上、流量:50 L/min以上、圧力:0.3~0.5MPa)を使用します。大気中で電子線を照射すると、オゾンが発生し照射室内の樹脂や金属を腐食させます。また酸素阻害等により電子線処理の効果が十分に得られない場合があります。これらを防ぐために照射室を窒素充填し酸素濃度を下げる必要があります。窒素発生装置での対応が可能です。
 
装置のメンテナンスについて装置のメンテナンスについて

定期的なメンテナンスは必要ですか?

使用条件や使用環境によって異なりますが、3000時間~5000時間で電子線出射窓とフィラメントの交換を推奨します。消耗品はユニット化されており、お客様でも容易に交換することができます。
 

電子線出射窓とフィラメントの交換による装置停止時間はどのくらいですか?

約半日での復旧が可能です。
 

日常の電子線照射量の管理はできますか?

フィルム線量計により、容易に電子線吸収線量を測定し、出力管理をすることが可能です。詳細についてはご相談ください。
 
製品性能について製品性能について

電子線照射のON/OFFを外部コントロールすることは可能ですか?

外部リモート端子を利用し、電子線の外部制御が可能です。詳細についてはご相談ください。
 

電子線は被照射物に対してどのくらいの深さまで侵入しますか?

侵入深さは被照射物の組成・密度 および 電子線の加速電圧と照射距離に依存します。
例えば、水(H2O, 密度 1 g/cm3)に対して、加速電圧70 kV , 照射距離10 mmですと侵入深さ30 μm程度となります。弊社ではシミュレーション技術により、侵入深さの他、エネルギー付与分布・吸収線量等の情報をご提供することが可能です。お客様の被照射物に合わせた最適照射条件をご提供致します。
 
テスト照射についてテスト照射について

テスト照射は可能ですか?

弊社デモルームに常設しているテスト照射装置を利用し、デモ実験を行っていただくことができます。事前に予約をしていただくことになります。
テスト照射受付
 

テスト照射ではどの様な条件を設定できますか

加速電圧や管電圧など電子線照射源本体の設定のほか、搬送速度や酸素濃度などを変更してサンプルに適した照射条件を探れます。
 

受託照射サービスは行っていますか?

受託照射は承っていません。

製品の購入やさらに詳しい情報についてはお問い合わせください。

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お問い合わせ

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