ORCA-Fusion BT デジタルCMOSカメラ

C15440-20UP

低ノイズと高量子効率の完璧な融合

生命現象における微かで高速な反応をとらえるには、微弱な光のイメージングが不可欠です。このようなイメージングに用いられる科学計測用カメラには、常により高いS/Nが求められます。
ORCA-Fusion BTは、GenⅢ背面照射型CMOSセンサを採用。ORCA-Fusionの特性である低い読み出しノイズをそのままに、量子効率も上げることでさらに飛躍的にS/Nを向上しました。

低読み出しノイズ × 高量子効率

各カメラのS/N比較(S/Nは最大の場合の値を示しています)

ORCA-Fusion BT S/N比較

 

※BSIカメラ=Backside-illuminated カメラ(背面照射型カメラ)

生命現象における微かで高速な反応をとらえるには、微弱な光のイメージングが不可欠です。このようなイメージングに用いられる科学計測用カメラには、常により高いS/Nが求められます。

既存のORCA-Fusionでは、従来のGenⅡCMOSカメラに比べ読み出しノイズを半減することで、高いS/Nを実現しました。
今回開発したORCA-Fusion BTでは、GenⅢ背面照射型CMOSセンサを採用。ORCA-Fusion特性である低い読み出しノイズをそのままに、量子効率も上げることでさらに飛躍的にS/Nを向上しました。

これまでのどのCMOSカメラよりも微弱な光の領域へ

低い読み出しノイズと高い量子効率を両立したORCA-Fusion BTは、より微弱な光の領域でのイメージングを可能にします。
微弱光領域だけでなく、明るい領域においても高いパフォーマンスを発揮するので、ライフサイエンスイメージングに用いられるどのCMOSカメラよりも、あらゆる光量で鮮明な画像を取得できます。

右グラフは読み出しノイズが無く、量子効率が100 %のカメラ(Perfect camera)のS/Nを1とした場合の相対的なS/Nを示しています。また暗電流ノイズが無視できる露光時間の場合での値を示しています。

ORCA-Fusion perfect camera graph

生細胞にダメージを与えないイメージング

より微弱な光の領域でのイメージングが可能になったことで、生細胞への励起光を抑え、退色や光毒性を低減できます。

生細胞に対してダメージの少ない長時間観察を実現します。

ORCA-Fusion, time-lapse

微弱励起光による生細胞タイムラプスイメージング
試料:H9c2、対物レンズ:Apo TIRF 60XC(NA1.49)、ND:8、インターバル:15秒、スケールバー:100 μm

ライトシート読み出しモード【特許登録済み】

ライトシート読み出しモードは、ライトシート顕微鏡画像のS/Nを改善するsCMOSカメラの読み出し方法です。

ライトシート読み出しモードの原理や特長について詳しくはこちらをご覧ください。

 

ライトシート読み出しモードとは

参考文献

ORCA-Fusion BT
著者 タイトル 書名
Pratish Thakore, Michael G Alvarado, Sher Ali, Amreen Mughal, Paulo W Pires, Evan Yamasaki, Harry AT Pritchard, Brant E Isakson, Cam Ha T Tran, Scott Earley Brain endothelial cell TRPA1 channels initiate neurovascular coupling eLife 10, e63040 (2021).
Lexy von Diezmann and Ofer Rog Single-Molecule Tracking of Chromatin-Associated Proteins in the C. elegans Gonad J. Phys. Chem. B 2021, 125, 23, 6162–6170
Kei Yamamoto, Haruko Miura, Motohiko Ishida, Yusuke Mii, Noriyuki Kinoshita, Shinji Takada, Naoto Ueno, Satoshi Sawai, Yohei Kondo & Kazuhiro Aoki Optogenetic relaxation of actomyosin contractility uncovers mechanistic roles of cortical tension during cytokinesis Nat Commun 12, 7145 (2021).
Mbaye Diouf, Mitchell Harling, Murat Yessenov, Layton A. Hall, Ayman F. Abouraddy, and Kimani C. Toussaint, Space-time vector light sheets Opt. Express 29, 37225-37233 (2021)
Oliver Klatt, Daniele Repetto, Johannes Brockhaus, Carsten Reissner, Abderazzaq El khallouqi, Astrid Rohlmann, Martin Heine, Markus Missler, Endogenous β-neurexins on axons and within synapses show regulated dynamic behavior Cell Reports, Volume 35, Issue 11, 2021, 109266,
Satoshi Okada, Goro Doi, Shitomi Nakagawa, Emiko Kusumoto, Takashi Ito Simple-to-use CRISPR-SpCas9/SaCas9/AsCas12a vector series for genome editing in Saccharomyces cerevisiae G3 Genes|Genomes|Genetics, Volume 11, Issue 12, December 2021, jkab304

ソフトウエア

浜松ホトニクスが提供する、画像取得、解析を目的としたアプリケーションソフトウェアおよび当社製カメラ専用のAPIやソフトウエア開発キットです。

仕様

型名 C15440-20UP
撮像素子 科学計測用CMOSイメージセンサ
有効画素数 2304 (H) × 2304 (V)
画素サイズ 6.5 μm × 6.5 μm
有効素子サイズ 14.976 mm (H) × 14.976 mm (V)
飽和電荷量 15 000 electrons(Typ.)
読み出し速度 Fast scan、全画素読み出し時、CoaXPress動作:89.1 フレーム/秒
Fast scan、全画素読み出し時、USB 3.0動作:31.6 フレーム/秒(16 bit)、42.2 フレーム/秒(12 bit)、63.3 フレーム/秒(8 bit)
Standard scan、全画素読み出し時、CoaXPress動作:23.2 フレーム/秒
Standard scan、全画素読み出し時、USB 3.0動作:23.2 フレーム/秒
Ultra quiet scan、全画素読み出し時、CoaXPress動作:5.42 フレーム/秒
Ultra quiet scan、全画素読み出し時、USB 3.0動作:5.42 フレーム/秒
読み出しノイズ Fast scan:1.6 electrons rms *1
Standard scan:1.0 electrons rms *1
Ultra quiet scan:0.7 electrons rms *1
露光時間 Fast scan:17 μs~10 s
Standard scan:65 μs~10 s
Ultra quiet scan:280 μs~10 s
冷却方式 ペルチェ冷却
冷却温度 強制空冷(周囲温度+25 ℃):-8 ℃
水冷(水温+25 ℃):-8 ℃
水冷(最大冷却(水温+20 ℃、周囲環境温度+20 ℃ の時)):-15 ℃以下*4
暗電流 1.0 electrons/pixel/s(センサ温度:-8 ℃、周囲温度:+25 ℃)(Typ.) *1
1.0 electrons/pixel/s(センサ温度:-8 ℃、水温:+25 ℃)(Typ.) *1
0.7 electrons/pixel/s(センサ温度:-15 ℃以下、水温:+20 ℃、周囲環境温度:+20 ℃)(Typ.) *1
ダイナミックレンジ 21 400 : 1(Typ.)*2
外部トリガモード エッジトリガ、グローバルリセットエッジトリガ、レベルトリガ、 グローバルリセットレベルトリガ、読み出し同期トリガ、スタートトリガ
入力コネクタ SMA
トリガ遅延機能 0 μs ~ 10 s(1 μs ステップ)
トリガ出力 グローバル露光タイミング出力、トリガレディ出力、プログラマブルタイミング出力 × 3系統、ハイ出力、ロー出力
出力コネクタ SMA
インターフェース CoaXPress(Dual CXP-6)、USB 3.0*5
A/Dコンバータ 16 bit、12 bit、8 bit
レンズマウント Cマウント
電源 AC 100 V ~ AC 240 V、50 Hz/60 Hz
消費電力 約155 VA
動作周囲温度 0 ℃ ~ +40 ℃
保存周囲温度 -10 ℃ ~ +50 ℃
動作周囲湿度 30 % ~ 80 %(結露しないこと)
保存周囲湿度 90 %以下(結露しないこと)

*1 イメージセンサの中心 2048×2048エリアの値
*2 飽和電荷量とUltra quiet scan時の読み出しノイズから算出
*3 Ultra quiet scan時の値
*4 水温+20 ℃、周囲環境温度+20 ℃時
*5 USB 3.1 Gen 1と同等

分光感度特性

c15440-20up 分光感度特性

外形寸法図

c15440-20up 外形寸法図

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