キセノンフラッシュランプモジュール キセノンフラッシュランプモジュール

FAQs | キセノンフラッシュランプ

キセノンフラッシュランプは、瞬間的な高いピーク出力を有するパルス点灯光源です。
紫外域から赤外域までの連続スペクトルにより、分析からイメージングまで幅広い用途に応用できます。
浜松ホトニクスは、高品質・高精度なキセノンフラッシュランプを提供します。 専用設計されたトリガソケット・電源などの周辺機器、さらにはそれらを一体化したモジュールを用意しており、キセノンフラッシュランプの特性を最大限に引き出します。

Q01. 最大ランプ入力エネルギー(1フラッシュ)と最大ランプ発光繰り返し周波数の求め方を教えてください。

以下の計算式を応用することで求められます。

E = 1/2 × Cm × Vm2
PE × f

E:ランプ入力エネルギー(1フラッシュ)(J)

Cm:主放電コンデンサ容量(F)

Vm:主放電電圧(V)

P:平均ランプ入力(連続)(W)

f:ランプ発光繰り返し周波数(Hz)

例えば、20 Wキセノンフラッシュランプを推奨専用電源 C13316-10(主放電コンデンサ容量 1.0 µF(10-6 F))を使用して主放電電圧 1000 Vで動作させると、最大ランプ入力エネルギー(1フラッシュ)は計算式から以下のように0.5 Jと求められます。

E = 1/2 × 10-6(F) × 1000(V) 2 = 0.5(J)

また、上記の場合20 Wキセノンフラッシュランプの最大ランプ発光繰り返し周波数は計算式から以下のように40 Hzと求められます。

f = 20(W) / 0.5(J) = 40(Hz)

ランプを選択する際は、最大ランプ入力エネルギーと最大ランプ発光繰り返し周波数を考慮して、最大平均ランプ入力(連続)が定格を超えないようにする必要があります。

Q02. 定格以上の主放電電圧で使用するとどうなりますか?

電極の異常消耗などにより、キセノンフラッシュランプの寿命が短くなります。
Q01をご参照の上、必ず定格内での動作条件にてご使用ください。

Q03. 最大ランプ発光繰り返し周波数を超えて使用するとどうなりますか?

所望のランプ入力エネルギーでの発光ができません。
また、連続点灯によって電極にダメージを与え、キセノンフラッシュランプの寿命が短くなります。
Q01をご参照の上、必ず定格内での動作条件にてご使用ください。

Q04. アークサイズの違いにより特性はどのように変わりますか?

アークサイズの長いキセノンフラッシュランプは、広い発光パルス幅(長い発光時間)で高い光出力が得られるため、広い照射範囲が求められる用途に適しています。一方、アークサイズの短いキセノンフラッシュランプは高い輝度が得られるため、精度が求められる用途で用いられています。

発光パルス波形(代表値)

輝度特性(代表値)

Q05. 主放電コンデンサ容量の違いにより特性はどのように変わりますか?

主放電コンデンサ容量が大きいと最大ランプ入力エネルギーが高くなり、高い光出力が得られるとともに、発光パルス幅が広くなります(発光時間が長くなります)。

発光パルス波形(代表値)

Q06. 主放電電圧の違いにより特性はどのように変わりますか?

主放電電圧が大きいと最大ランプ入力エネルギーが高くなり、高い光出力が得られます。主放電コンデンサ容量とは異なり、発光パルス幅(発光時間)に違いはありません。

発光パルス波形(代表値)

Q07. キセノンフラッシュランプモジュール、キセノンフラッシュランプ専用電源を駆動させるためには、信号源からどのようなトリガ信号入力が必要ですか?

各製品ページの仕様のランプ発光繰り返し周波数とトリガ信号に記載された矩形波を入力してください。
(高い安定性で動作させるために、ランプ発光繰り返し周波数は10 Hz以上を推奨しています。)
また、トリガ信号入力には、15 mA ~ 30 mAの電流出力が可能な信号源を使用してください。

トリガ信号波形

トリガ信号入力部 内部回路図例

Q08. 寿命特性に波長ごとでの違いはありますか?

一般的に短波長側の光出力低下が大きい傾向にあります。
寿命の定義は190 nm ~ 1100 nmでの光出力が初期値の50 %に低下した時点、または光出力安定性が仕様のMax.の値を超えた時点としています。

寿命特性(2 Wキセノンフラッシュランプモジュール) (代表値)

Q09. 寿命特性にランプ入力エネルギー(1フラッシュ)ごとでの違いはありますか?

一般的にランプ入力エネルギー(1フラッシュ)が大きいほど、寿命が短くなる傾向にあります。

寿命特性(10 Wキセノンフラッシュランプ)(代表値)

NOTE:
10 Wキセノンフラッシュランプの特性保証ランプ入力エネルギー範囲は0.01 J ~ 0.1 Jです。

Q10. 高い光出力安定性で使用するためにはどうすれば良いですか?

弊社では以下の手法を推奨しています。

(1) アーク中心の光を使用する。
キセノンフラッシュランプはアーク放電の計測位置によって光出力安定性が異なり、アーク放電の中心に近いほど光出力安定性の高い光が取り出せます。

光出力安定性(代表値)

(2) 点灯初期の光を使用しない。
キセノンフラッシュランプは点灯初期のウォームアップ時間(安定動作までの時間)を避けることで光出力安定性の高い光が取り出せます。

光出力安定性(代表値)

点灯初期

点灯5秒後

(3) データを平均化する
データ処理により複数の取得データを平均化することで、光出力安定性が改善されます。

光出力安定性(代表値)

データ処理なし

 

データ処理あり

(複数の取得データの平均値)

Q11. 分光放射照度 / 発光パルス波形 / 寿命特性 / 光出力安定性はどのようなセットアップ構成で測定していますか?

以下セットアップ構成で測定しています。

セットアップ構成

○ 分光放射照度

○ 発光パルス波形

○ 寿命特性・光出力安定性

Q12. 動作にあたり、必要なものはありますか?

以下のものが必要となります。

 

○ キセノンフラッシュランプモジュールの場合

 

必須

・DC電源(入力電源)

・パルスジェネレータなどのパルス信号源(ランプ発光繰り返し周波数の外部制御)

 

任意

・外部コントロール電源(主放電電圧の外部制御)

 

○ キセノンフラッシュランプ + トリガソケット + 専用電源の場合

 

必須

・DC電源(入力電源)

 

任意

・パルスジェネレータなどのパルス信号源(ランプ発光繰り返し周波数の外部制御)

・外部コントロール電源(主放電電圧の外部制御)

Q13. ファイバを選定する際に気を付けることはありますか?

耐紫外線性のあるファイバを選定してください。

Q14. キセノンフラッシュランプの取付方向に制限はありますか?

照射窓を下に向けた取付は推奨していません。
ランプ内部からの汚れが照射窓に付着して、光出力の低下などを招く可能性があります。

Q15. 長期保存していたキセノンフラッシュランプの動作確認はどのように行えば良いですか?

リードピンに錆などの劣化がないか確認した上で動作確認を行ってください。
保存環境にもよりますが、基本的にリードピンに錆などの劣化がなければ動作に問題はありません。

Q16. トリガソケットのケーブル長の変更は可能ですか?

トリガソケットのケーブル長は発光パルス幅(発光時間)とランプ入力電流に影響します。
ケーブル長を長くした場合、発光パルス幅が長くなり、ランプ入力電流は小さくなる傾向にありますので、点灯不良の発生する可能性が高くなります。
ケーブル長を短くした場合、発光パルス幅が短くなり、ランプ入力電流が大きくなる傾向にありますので、連続点灯やミス点灯に加えて、キセノンフラッシュランプの寿命が短くなる可能性があります。
ケーブル長は納入時のままご使用いただくことを推奨します。

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