光コヒーレンストモグラフィー OCT

OCT (光干渉断層撮影)

OCT (Optical Coherence Tomography: 光干渉断層撮影)とは、光の干渉性を利用して測定対象内部の微細構造を画像化する技術です。
高速、高分解能、非侵襲、リアルタイムで観察が可能などのメリットがあり、主に医療用や産業用の非侵襲検査に使用されています。

原理と方式

OCTは光の干渉性を利用し、光の進行方向の距離を計測する技術です。測定対象に近赤外光を照射し、測定対象から散乱して戻ってくる光と、OCT装置内部の固定光路を通ってくる参照光とを、合波することによって生成する干渉光信号を検出することで、奥行き方向の1次元の信号が得られます。この奥行き方向の1次元信号を測定対象に照射する位置をずらしながら連続でスキャンすることにより、断層画像が取得できます。

SD-OCT (Spectral Domain-OCT)方式

広帯域波長光源の光を測定対象に入射し、干渉光を分光してからリニアイメージセンサで検出します。得られた波長情報をフーリエ変換することで、測定対象の深さ方向の像を取得します。

SS-OCT (Swept Source-OCT)方式

波長掃引光源により、波長を時間的に掃引して測定対象に入射し、干渉光を差動検出器で検出します。得られた波長情報をフーリエ変換することで、測定対象の深さ方向の像を取得します。

波長別応用例

応用例:眼底検査

網膜や神経線維層の断層画像を撮影することで、網膜のむくみや出血などの状態を把握することができます。緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症といった症状の早期発見や、治療の経過観察に使用されています。

SD-OCT方式

SS-OCT方式

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応用例:脳神経細胞イメージング

1700 nm帯の広帯域波長光源を用いることで、高散乱な生体組織の深部の高分解能イメージングが可能です。具体的には、SD-OCM (Spectral Domain - Optical Coherence Microscopy)により、開頭手術なしの非侵襲脳神経細胞深部イメージングができるため、アルツハイマー病変のIn-vivo観察などで応用されています。

測定系

大気中におけるロールオフ

大気中における軸方向分解能

測定結果

Jun Zhu and Vivek J. Srinivasan (University of California Davis) ご提供

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