浜松ホトニクスの原点

高柳健次郎博士と浜松ホトニクス

1926年12月25日。世界で初めて、ブラウン管に「イ」の字の映像が映し出されました。この電子式テレビジョンの開発に成功した高柳健次郎博士は、後に「日本のテレビの父」と呼ばれるようになりました。

 

浜松ホトニクスは、浜松高等工業学校で日本のテレビの父・高柳博士の門下生であった初代社長堀内平八郎や2代目社長晝馬輝夫が興した会社です。創業当時の社名は「浜松テレビ株式会社」でした。これは、設立の理念と事業目的が「師と仰ぐ高柳健次郎博士の精神を受け継ぎ、光と産業を結びつけること」だったため、高柳博士にちなんだものが検討され、当時、高柳博士とテレビが相互的に代名詞的な関係にあったことから、「浜松テレビ」と名付けられました。

 

以来、当社は高柳博士が開発した光を電気に変える「光電変換技術」と「人類未知未踏の領域を追究する精神」を継承し、光技術の進歩とともに歩んできました。

高柳健次郎博士 (1899年~1990年)

高柳健次郎博士 (1899年~1990年)

「日本のテレビの父」高柳健次郎博士

1899年、静岡県浜松市生まれ。東京の蔵前高等工業 (現・東京工業大学)附設工業教員養成所を卒業。1924年、浜松高等工業学校 (現・静岡大学工学部)助教授へ就任、テレビジョン研究を開始。「自由啓発」の校風に味方を得て、2年後の1926年、世界で初めて電子的にブラウン管への受像を成功させた功績により、後に「日本のテレビの父」と呼ばれる。

博士は折に触れ、学生らにこう語りかけたといいます。 「それは何のための技術なのか。また、それが世の中のためになる技術であるかどうか、という問いかけを常に研究の根本におけ」。学問のための学問、研究のための研究を戒め、常に学問や研究の社会性と人類的価値について腐心し、生涯その姿勢を崩すことはありませんでした。

 

創業者 堀内平八郎

(1915年~1995年)

堀内平八郎初代社長 (1915年~1997年)

手に持つのはビジコン

 

小学校の時から光の不思議さに魅了され、高柳博士へのあこがれから浜松高等工業電気科へと進んだ堀内平八郎は、高柳イズムに大いに感化されました。堀内は、光を有効に活用する手段 (製品)を社会に提供する、「光の大道」を進むことを決意し、いまなお当社の基盤技術であり続ける光を電気信号に変える光電変換素子の開発に邁進しました。

2代目社長 晝馬輝夫

(1926年~2018年)

晝馬輝夫名誉会長 (1926年~)

2007年、第24回浜松コンファレンスでの講演

 

高柳博士、堀内平八郎から受け継いだ人類未知未踏への挑戦を強力に推し進め、当社を光技術の世界的企業へと成長させました。光技術のセールスエンジニアとして、グローバル販売網の構築を自ら成し遂げただけでなく、PET研究やレーザフュージョン研究など、20年、30年後を見据えた当社の研究開発の礎を築きました。

脈々と受け継いできた技術 ~浜松ホトニクスの製品開発の系譜

当社の製品開発の歴史は、高柳博士から継承した光を電気に変える光電変換技術をもとにした「光電管」に端を発します。そこから絶えず光の可能性を追求し続けた結果、数多くのユニークな製品や技術が生まれてきました。
現在では、光電子増倍管や光半導体素子などの光センサや光源といったデバイス、デバイスに専用回路を付加したモジュール、それらを組み込んだシステム製品の開発・製造を行い、幅広い応用に最適なソリューションとして提供しています。

初期の光電管

製品開発の系譜図

当社の製品開発は、一つの技術を起点に多様な発展を続けてきました。

本系譜図では、主な製品の発売開始年とその技術のつながりを紹介しています。

時代を先取りしてきた光技術

光電子増倍管

世界シェア9割を誇る高感度光センサ「光電子増倍管」は、医用・バイオ機器や分析機器だけでなく、産業機器など幅広い応用分野で採用される当社の主力製品です。
高感度を極めた当社の光電子増倍管は、研究の分野でも活躍の場を広げ、2つのノーベル物理学賞受賞に貢献しました。

 

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apd_avalanche_photodiode

フォトダイオード

当社のフォトダイオードは、長きにわたって科学計測・メディカル・車載・産業・民生など幅広い分野で利用され、また人類の英知が集結する高エネルギー物理学の最前線で活躍しています。
「ヒッグス粒子」の存在の確定に貢献した検出器も当社のアバランシェ・フォトダイオード (APD)とシリコン・ストリップ・ディテクタ (SSD)です。

 

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イメージセンサ

イメージセンサ

2010年に奇跡の帰還を果たし世界中からの注目を集めた小惑星探査機「はやぶさ」。小惑星イトカワの表面の組成を探る2つの装置に浜松ホトニクスが開発したイメージセンサが採用されました。
そして、2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」にも当社のInAsイメージセンサが採用され、小惑星の地表の水分測定を行いました。

 

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qCMOSカメラ

qCMOS®カメラ

qCMOSカメラは、極めて優れた低ノイズ性能と高速読み出しを両立した超高感度のカメラです。
小惑星探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星「リュウグウ」のサンプルの解析に採用され、多くの謎の解明への一助を担っています。

 

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MPPC (SiPM)

MPPC® (SiPM)

半導体素子でありながら、優れた検出能力をもっており、フォトンカウンティングレベルの微弱光を検出するさまざまな用途に利用することができます。

 

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ステルスダイシング(TM)技術

ステルスダイシング™技術

ステルスダイシング技術は、レーザを用いた全く新しい概念のレーザダイシング技術です。非接触での完全ドライプロセスの実現などにより、高速で切削ロスのないダイシング技術であるため、従来のウェーハダイシングの問題を解決します。

 

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半導体故障解析装置

半導体故障解析装置

半導体デバイス内部の故障に起因する微弱な発光・発熱などを検出しその位置を特定するシステムです。微弱な光や熱から不良箇所を特定して、物理解析結果を設計にフィードバックすることにより、不良発生を抑制して歩留まりを向上させます。

 

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NanoZoomer S540 バーチャルスライドスキャナ C17400-01

バーチャルスライドスキャナ

がん組織の標本などのガラススライドを高速でスキャンし、高解像度なデジタルデータに変換するシステムです。スキャンしたデータは専用の画像閲覧ソフトウェアを使い、顕微鏡を操作する感覚で観察することができます。

 

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世の中にないものをつくる
新たな「イ」の字

1926年12月25日、浜松の地で、ブラウン管に電子的に「イ」の字が映し出されました。後に「日本のテレビの父」と呼ばれる高柳博士が、世界にまだないものを生み出した瞬間です。この「テレビジョン」技術は世界中の人々の暮らしを一変させました。

まだないものを目指す研究、できるはずがないと思われている技術の開発は、時に厳しく、また、時に予期せぬ成果を生み出したりもします。そのような取り組みこそが、人々に新たな価値をもたらし、世界に新たな産業を生み出すと信じています。

浜松ホトニクスは、高柳博士の精神を継ぎ、世の中に役立つ革新的な技術の研究・開発に取り組んでいます。

iPMSEL

半導体レーザ iPMSEL®

iPMSELは、針先程の微小なチップからさまざまなビームパターンを直接出社することが可能な当社独自の面発光レーザです。集積化することで電気的にビームパターンを切り替えるモジュール化も可能です。LiDAR、3次元計測、表示などへの応用が期待されており、究極的には立体ディスプレイを実現するためのキーデバイスとして研究を進めています。

 

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差周波発生型テラヘルツ量子カスケードレーザ

室温テラヘルツ量子カスケードレーザ

量子カスケードレーザは中赤外~テラヘルツ (THz)領域 (波長:3 µm~300 µm)の高性能半導体レーザです。2種類の異なる半導体を、数原子単位で数原子単位で超高精度に多数積層させることにより形成した半導体量子構造内のサブバンド間の遷移を用いています。
当社は独自の活性層構造である結合二重上位準位構造(AnticrossDAU™)を用いることにより、単一素子、電流駆動で動作する室温動作半導体THz光源の開発に成功しました。

 

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レーザ核融合

レーザフュージョン

現代社会において、解決しなければならない課題のひとつにエネルギー問題があります。現在、日本の一次エネルギーは80 %以上が化石燃料から得られていますが、地球上にあるエネルギー資源には限りがあります。
そのような状況のなか、海水中に無尽蔵にある水素の同位元素からエネルギーを取りだすことができるフュージョンによる発電は、世界的なエネルギー問題や地球温暖化などの環境問題の解決の切り札と言われ、早期の実現が期待されています。
なかでも大出力レーザを用いたフュージョンによる発電は光・レーザ技術を用いた究極の産業応用であり、レーザフュージョンを軸にした新たな光産業の創出を目指しています。

 

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ガンマ線高時間分解検出技術

ガンマ線高時間分解検出技術

高速な時間応答を示すチェレンコフ光を利用することを特長とした放射線検出器の研究開発を行っています。PET用検出器としての可能性を研究しています。

 

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