環境配慮型製品・環境貢献製品

当社では「環境配慮型製品・環境貢献製品」の指針を定め、製品のアプリケーションを通じて、地球環境保全や環境負荷低減に貢献するとともに、製品自体の環境負荷低減を目的とした新製品開発や新技術開発を推進し拡販に努めています。当社における環境配慮型製品および環境貢献製品は以下の通りです。

環境配慮型製品

廃棄量を少なくしたり、リサイクルしやすい設計をするなど、環境に与える影響を少なくするよう配慮したもので、従来品と比べて以下のいずれかもしくは複数の項目が向上した製品

  • 小型薄型軽量化
  • 省電力化
  • 長期使用性(長寿命)
  • 有害物質の削減や廃止をした製品(有害物質:RoHS 10物質、当社が規定する環境管理物質ほか)
  • 再使用性(リユース)
  • 再資源化性(リサイクル)
  • 廃棄時の処理容易性(装置の場合の分解容易性)

環境貢献製品

製品自体もしくはその製品を使用した最終製品が、地球環境の保全などの用途に使用・貢献するもの

  • 地球温暖化防止、新エネルギーや再生可能エネルギーの普及
  • オゾン層破壊、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染の防止、汚染物質の分析
  • 製品含有化学物質の分析、化学物質の毒性評価
  • 廃棄物の削減や分別・処理

事例紹介

社内では毎年、環境配慮型製品・環境貢献製品の新製品開発を行っています。当期における代表的な事例をご紹介します。

●小型高圧電源モジュール / C17282‐14

TO-8やµPMT®を駆動する小型高圧電源モジュールC17282-14(製品化予定)は、携帯型検出器に搭載され、衛生モニター、環境モニター等に用いられます。本電源を使用することで、低電圧(3 V~5 V)のみで、一般的なPMT(光電子増倍管)を駆動することが可能となります。また、マイコンを利用して部品点数を削減し、従来製品C10940シリーズよりも20 × 20 × 7.3 mmとコンパクトとなります。質量7 gと軽量化され、環境に配慮した製品となります。

  従来製品
C10940シリーズ
環境配慮型製品
C17282-14
サイズ(mm) W15 × D15 × H18 W20 × D20 × H7.3
体積30 %削減
重さ(g) 7.7 7.0
電圧(V) 4.5 - 5.5 3.0 - 5.0
1.5 V低減

●キセノンフラッシュランプモジュールE3-X / L17513

瞬間的な高いピーク出力を有するパルス点灯光源であるキセノンフラッシュランプモジュールにおいて、従来の長寿命の特性はそのままに、さらなる低消費電力・小型化(リデュース)を実現しました。また、内蔵ランプを交換できるため、回路部分の再利用性(リユース)も可能としています。

  従来製品
L13651シリーズ
環境配慮型製品
E3-X(製品化予定)
消費電力 約5 W (5 V - 1 A) 約0.7 W (4.5 V - 0.15 A)
サイズ(mm) W42 × D42 × H38 W32 × D32 × H29
保証寿命 1 × 109フラッシュ 1 × 109フラッシュ
内臓ランプ 交換不可 交換可能

●Pixel correction plus tool

カメラ出荷後に宇宙線等の影響により発生する欠陥画素(後発白点)を現地で補正するためのツールを開発しました。これまではカメラを返却してもらい対応を行っていたため輸送による環境負荷(CO2排出、梱包材)がありました。今回Pixel correction plus toolを開発し、現地で補正ができるようにすることで輸送による環境負荷(CO2排出ゼロ、梱包材不要)を低減しました。

輸送例|東京(HND)発 ニューヨーク(EWR)着
 

CO2排出量(往復):1,370 kg

返却対応回数(累積):5式

梱包材費用(対応カメラ平均額):¥ 702/式

●FDSS®‐GX 背面発光ユニット / C17165‐01

FDSS7000で使用していた発光センサユニット(C10520シリーズ)はイメージインテンシファイアを用いており、重金属である鉛が使用されていました。FDSS7000後継機となるFDSS-GXで使用する発光センサユニットでは、qCMOSセンサを使用することで重金属を使用しない仕様を実現しました。

FDSS®-GX

●レーザスキャンシステム / C14432‐40

半導体故障解析装置において、レーザや非コヒーレント光源を使用したアプリケーションに必要なオプションがC14432シリーズです。C14432-40は従来製品が有していた930 nm~1300 nmの赤外用入出力ポートに加え、新たに530 nm~780 nmの可視用入出力ポートを備えています。半導体故障解析装置に複数光源を搭載することで、各種アプリケーションの使い分けが可能になります。赤外光と可視光の光路の一部を共通化することで、部品点数の削減と、省スペース化を実現しました。

●膜厚計 / C15151‐01

レーザ励起プラズマ光源(LDLS)を使用した分光干渉式の膜厚計です。ランプ寿命が10000時間と、従来のハロゲンランプを使用した膜厚計/C13027-11(ランプ寿命は2000時間)と比べて、ランプ寿命が5倍となります。ランプ寿命が長くなることにより、システムのメンテナンス頻度を少なくすることが可能となり、メンテナンスにかかる電力の削減や廃棄するランプを削減することできます。

●LCOS-SLM / X15213‐03CL

金属3Dプリンティングに代表される金属レーザ加工では、材料の効率的な使用、廃棄物削減、エネルギー消費削減などから環境負荷の低減が期待されています。X15213-03CLは、サファイアガラスを採用することで従来よりも高い耐光性能を実現した金属レーザ加工用のLCOS-SLMです。この製品を加工装置に組み込むことで、1本の高出力なレーザ光を様々な形状かつ、多点に分岐させて複数個所の同時加工が実現できます。それにより加工装置のタクトタイム低減、小型化、省電力化に貢献します。

●波長掃引パルス量子カスケードレーザー

火山ガスの主成分である硫化水素や二酸化硫黄の検出用として波長7~8 μmの波長掃引パルス駆動タイプの量子カスケードレーザーを開発しました。MEMS回折格子を用いた外部共振器の構成をバタフライパッケージに実装し、世界最小(12.7 × 30 × 13.1 mm)の外部共振器型量子カスケードレーザーモジュールを実現しました。

本成果は、国立研究開発法人エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の委託事業により得られたものです。