低エネルギー電子線照射源 EB-ENGINE 低エネルギー電子線照射源 EB-ENGINE

シミュレーションサポート | 低エネルギー電子線照射源

3次元モンテカルロシミュレーションにより、さまざまな電子線照射条件(加速電圧、管電流、照射距離)における被照射物内部の線量分布を任意の厚さで計算することができます。
立会い実験での電子線照射条件設定や実験結果の検証等、低エネルギー電子線照射プロセス設計をサポートしております。

シミュレーション実例:樹脂上のコーティング剤のEBキュアリング

樹脂上のコーティングを電子線照射で乾燥(EBキュアリング)させるときに、「できるだけコーティングのみにエネルギーを付与したい」「できるだけ基材の樹脂にはエネルギーを付与したくない」といった要望があります。
最適な照射条件を導き出すために、通常だと多数の照射条件で大量の照射済みサンプルを作成する必要があり、コスト増と開発遅れにつながります。この時、浜松ホトニクスのシミュレーション技術を使って頂くことで短期間で効率的に電子線照射条件を導きだすことが可能となります。

<シミュレーション条件>

  • コーティング:厚さ30 μm、密度0.9
  • 樹脂基材:厚さ100 μm、密度1.5
  • 加速電圧:50 kV ~ 100 kV 照射距離:10 mm
  • <シミュレーション結果>
    ■電子線から材料に付与されるエネルギーの深度分布

    エネルギー付与分布

    • 加速電圧を60 kV以下にすることで基材へのダメージを無くすことが可能となります。
      ただし、100 kV ~80 kVと比較すると吸収線量が半分程度になります。


    ■照射材料の吸収線量

    材料の吸収線量

    シミュレーションで検討可能なこと

    ①電子線が材料の深さ方向に対してどの程度をエネルギーを与えるか

    シミュレーションによって照射された電子が材料の深さ方向に対して、どの程度のエネルギーを付与するかを見積り可能です。照射される電子が材料中でエネルギーを付与する深さはEB-ENGINEの加速電圧(+照射距離)によって変わります。改質をしたい厚さ領域が分かっている場合には、どの程度の加速電圧で電子線照射すればよいかを見積もることが可能です。

    ②電子線照射によって必要とする改質がどのように実現されるか

    加速電圧、距離が決まれば、単位照射時間で材料のどの範囲にどの程度線量を付与できるか見積り可能です。これにより、お客様のEBプロセスに必要な出力(管電流)と照射時間(搬送速度)を見積もることができ、お客様の生産プロセスへの導入可能性を検討することが可能になります。

    シミュレーションと実際の吸収線量は、測定不確かさの範囲内(±5 % ~ ±15 %)で一致することが確認されています。

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