PMTについて | 光電子増倍管 (PMT)

光電子増倍管とは?

光電子増倍管(PMT)は、極めて微弱な光を高感度に検出できる真空管の光センサです。入射した光を光電効果によって電子に変換し、その電子をダイノードで増倍して電気信号として取り出します。光電子増倍管は優れた感度、高速応答性、低ノイズといったさまざまな特長を活かして、微弱光の高精度検出が必要とされる、医用イメージング、素粒子物理学、分光分析、産業検査などの幅広い分野で利用されています。

光電子増倍管を支える製造技術

浜松ホトニクスは、長年にわたり培ってきた真空管製造技術を基盤に、光電子増倍管の開発・製造を行っています。ガラスの成形加工や電極の組み立て、排気、封止といった独自の製造工程を通じて、高性能かつ高信頼な製品を生み出しています。

また、形状、サイズ、検出波長範囲、用途の異なる幅広いラインアップを取りそろえ、多様なニーズに応じた製品開発を進めています。社内に蓄積された専門知識と職人の技能を活かし、少量多品種の生産や用途に応じた柔軟な仕様対応にも応えています。

真空技術

光電子増倍管は光を電気信号に変換するときに外部光電効果を利用しています。外部光電効果によって光電面から放出された電子は、集束電極によって導かれ、ダイノードで増倍された後、陽極から信号として取り出されます。これらの電子の流れと増倍動作は、高度にコントロールされた真空中でなければ成り立たちません。真空の安定性と品質は、電子の運動、信号増幅、そしてデバイス全体の性能に直接影響します。

さらに、この真空技術は製造工程そのものにも欠かせません。光電面の形成や、排気工程における光電面・二次電子面の形成など、PMTの性能を左右する重要な工程にも高度な真空技術が関わっています。

光電子増倍管 製造の舞台裏

増倍原理

光電子増倍管の内部で起こる「電子増倍」の流れを、アニメーションでやさしく可視化しました。光が入ってから、どのように増えて、どこへ集められるのか、「中で何が起きているか」を直感的に理解できるようにまとめています。

サイドオン型光電子増倍管

ヘッドオン型光電子増倍管

主な構成要素

光電子増倍管は、入射窓、光電面、電子増倍部(ダイノード) という主要な構成要素によって成り立っています。

入射した光はまず入射窓を通過し、光電面で電子に変換されます。さらに、その電子はダイノードで増倍され、最終的に電気信号として取り出されます。

入射窓

入射窓は、外部から入る光をPMT内部へ導くための窓です。

使用する材料によって透過できる波長範囲が異なり、特に短波長側の感度範囲に大きく影響します。目的の光が窓材で吸収されると、光電面まで届かず、検出できなくなります。

主な入射窓の種類

  • 硼硅酸ガラス
  • 石英ガラス
  • UVガラス
  • MgF2結晶

光電面

光電面は、入射窓の内側に形成された薄い感光膜で、入射した光を電子に変換する部分です。
PMTの感度波長範囲や感度の大きさは、光電面材料によって大きく変わります。

主な光電面の種類

  • バイアルカリ光電面
  • マルチアルカリ光電面
  • ソーラーブラインド光電面 (Cs-I, Cs-Te)
  • 結晶光電面 (GaAsP, GaAsなど)

電子増倍部 (ダイノード)

ダイノードは、光電面から放出された電子を増倍するための電極群です。
各ダイノードで二次電子が放出され、その過程を繰り返すことで、微弱な光によって生じた信号を大きく増幅します。

主なダイノードの種類

  • サーキュラーケージ型
  • ボックス型
  • ラインフォーカス型
  • メタルチャンネル型

さらなる高性能化

浜松ホトニクスは、光電子増倍管のさらなる性能向上に絶えず取り組み続けています。

感度に限らないあらゆる特性を向上させることで、さらなる高精度な光検出を目指します。これまでも、そしてこれからもお客様の要望に応えるために光電子増倍管の高性能化を追究します。

学術研究用20インチ光電子増倍管の例

 

 

採用装置 カミオカンデ
(1983年~1996年)
スーパーカミオカンデ
(1996年~現在)
ハイパーカミオカンデ
(建設中)
型名 R1449 R3600 R12860
電子走行時間広がり 8.0 ns 5.5 ns 2.4 ns

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