ガス分析

自動車の排出ガス計測や煙道排出ガスのモニタリングなど、さまざまな場所や用途でガス分析は応用されています。近年は呼気の分析によって病気の早期発見や診断の研究が進められるなど、ガス分析の用途はますます広がっています。浜松ホトニクスでは、光学式ガス計測に使用される光源や検出器を幅広く取り揃えています。

ガス計測向け新製品紹介

リフレクタにより狭指向性と出力アップを実現したピーク発光波長3.3 µmの中赤外LEDです。ピーク発光波長3.9 µm、4.3 µmのタイプも用意しています。

裏面入射型のInAsSb光起電力素子 (TO-46パッケージ)です。5 μm帯までの波長域において高感度を実現し、感度の温度計数を大幅に改善しました。

裏面入射型のInAsSb光起電力素子 (セラミックパッケージ)です。5 μm帯までの波長域において高感度を実現し、感度の温度計数を大幅に改善しました。

ガス分子には光に対する固有の吸収波長が存在するため、その波長の光の吸光度を計測することでガスの濃度の計測が可能です。特に赤外の波長域にはガス分子の振動に起因するガス固有の吸収波長が多く存在するため、赤外線はさまざまなガス計測に用いられています。

例えば図のように光をガスに照射し、その透過光や反射光を検出することで吸光度をモニタします。測定対象の光吸収特性や周辺環境を考慮し、最適なデバイスを選択することで、光学式は他方式よりも高速応答、高精度、長寿命なガス計測を実現します。

センサの応答速度が速いため、リアルタイムモニタリングに適しています。単位時間当たりの積算回数を多く設定でき、高精度の計測にも寄与します。

ガスの吸収波長を検出するため、共存ガスや水蒸気などによる影響が少なく、ガスの選択性に優れています。

光学センサがガスと直接接触しないため、感度の劣化が少なく、メンテナンス頻度を抑えられます。

植物の光合成に必要なCO₂濃度の計測

工場などの作業現場におけるガス漏れ検知

自動車の排出ガス試験

工場などから排出される複合ガスの分析

産業用ガスのリアルタイム測定によるプロセスコントロール

工場などから排出される複合ガスの分析

自動車排出ガスのリアルタイムモニタリング

大気中の汚染成分ガスの分析

浜松ホトニクスでは、光学式ガス計測に必要な光源と検出器を取り揃えています。計測方式ごとに適した製品や応用例を一冊にまとめてご紹介します。

二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)をはじめとした各種ガスの吸収波長と、浜松ホトニクスのガス計測デバイスの発光/吸収波長域をご紹介します。

	製品名	特長	NDIR	FTIR	TDLAS	DOAS
光源	中赤外LED L1589Xシリーズ	・ピーク発光波長: 3.3 μm、3.9 μm、4.3 μm ・CO₂、CH₄の計測に最適	○
	キセノンフラッシュランプ L13651シリーズほか	・瞬間的な高出力・低発熱・幅広い放射波長域	○			○
	CW量子カスケードレーザ L1200Xシリーズ	・中赤外半導体レーザ・分布帰還構造搭載・電流による高速波長掃引			○
	キセノンランプ L2273ほか	・高安定・幅広い放射波長域				○
	重水素ランプ L2D2、S2D2シリーズ	・高安定・長寿命・紫外線に強い発光スペクトル				○
検出器	InAsSb光起電力素子 P13243シリーズ	・5 μm帯に対応・CO₂、CH₄に対応したバンドパスフィルタ付きも用意	○
	InAsSb光起電力素子 P13894シリーズ	・8 μm帯、10 μm帯に対応・常温型と電子冷却型を用意		○	○
	TypeⅡ超格子赤外線検出素子 P15409-901	・14 μm帯に対応・液体窒素冷却・優れた直線性		○
	プリアンプ付赤外検出モジュール C12494シリーズ	・10 μm帯に対応・高速応答・常温型と電子冷却型を用意	○	○	○