FTIR FTIR

FTIR

FTIR (Fourier Transform Infrared Spectroscopy)は、赤外分光分析法の一種です。
試料 (固体/液体/気体)に赤外光を照射し、その透過光または反射光を干渉計により干渉させ、その信号強度をフーリエ変換することでスペクトル情報を取得します。そのスペクトル情報から、物質の定性、定量、同定などの分析を行う手法です。扱う赤外光の波長域によって、FT-IR、FT-NIRと区別することもあります。
この手法は、FTIR分析装置やフーリエ変換赤外分光光度計として、化学分析・医療・環境分析・材料分析など、さまざまな分野に用いられています。

測定原理・各種測定例のほか、FTIRエンジンの機能や特性を掲載!『FTIRエンジン 測定事例集』

透過測定や拡散反射測定の原理をはじめ、当社および外部専門家にて測定した各種データを掲載しています。FTIRエンジンの細かな分光性能を取得データからご覧いただけます。

浜松ホトニクスのFTIR向け製品

浜松ホトニクスでは、FT-NIR、FT-IRに適した分光モジュールや赤外線検出素子を用意しています。

FT-NIR向け

FTIRエンジン

FTIRエンジンは、光干渉計や制御回路などをコンパクトな筐体にまとめたフーリエ変換型分光モジュールです。波長1.1 ~ 2.5 μmの近赤外域で高い感度をもちます。手のひらサイズを実現しており、FTIR分析装置への組み込みが可能です。これまで主流だった据置型FTIR分析装置の小型/ポータブル化に貢献します。

 

FTIRエンジンの特長

据置型FTIR装置に匹敵する検出性能

小型化に伴う入射光量の減少を解消するために、光干渉計内部のアクチュエータを構成する可動ミラーを独自のMEMS技術で開発し、反射光を効率よく利用できるように改良しました。また、可動ミラーと固定ミラーをMEMSチップとして一体化することでコンパクト化するとともに、ミラー間の相対角度の誤差を100分の1度程度まで低減。さらに、MEMSアクチュエータの構造と駆動方法を最適化し、駆動時のぶれを無くすことで、光干渉計内部での赤外光の広がりを抑え、損失を低減しています。これらにより、従来の据置型に匹敵する検出性能を実現しました。

高い波長再現性を実現

測定対象光 (入射光)をビームスプリッタで分割し、それぞれ可動ミラーと固定ミラーで反射して再び合成すると、光干渉が生じます。この可動ミラーの位置によって変化する干渉光強度を光検出器 (InGaAs PINフォトダイオード)で検出し、その信号を演算処理 (フーリエ変換)することで分光スペクトルを取得します。また、光検出器 (Si PINフォトダイオード)と半導体レーザ (VCSEL)を用いて同一干渉計内で可動ミラーの位置を測定することで、波長再現性の高い分光スペクトルが得られます。

FTIRエンジンの測定例

反射測定 (糖の吸光度比較)

FTIRエンジンと据置型分光計で、糖の粉末試料 (グルコース、スクロース)の反射測定結果を比較したところ、据置型分光計で得られたスペクトルと同様に、微小なピークパターンまで精度よく計測できました。

透過測定 (アルコール飲料の吸光度比較とアルコール濃度の推定)

1.1~2.5 μmの近赤外域には、水のOH基による吸収 (1.45 μm帯、1.9 μm帯)と、アルコール飲料のCH基による吸収 (2.1~2.5 μm)が存在します。透過測定の結果、水とアルコール飲料の吸収帯において、特長あるスペクトルが取得できました。 また、2.3 μm帯の吸光度からアルコール濃度を推定した結果、推定値と飲料の含有成分の数値が一致し、高精度の測定ができていることが確認できました。

FTIRエンジンの用途

FTIRエンジンは、農産物の収穫前検査・土壌分析・プラスチック選別など、これまでタイムリーな測定が難しかった幅広いシーンへの応用が期待されます。

おすすめ製品

小型のフーリエ変換型赤外分光モジュール

FT-IR向け

TypeⅡ超格子赤外線検出素子

当社独自の結晶成長技術とプロセス技術により14 μm帯まで感度をもたせた、FTIR用の赤外線検出素子です。RoHS規制物質である水銀・カドミウムを含有しておらず、MCT光起電力素子の代替素子としてご使用いただけます。

TypeⅡ超格子赤外線検出素子の特長

14.5 μm帯まで高感度

従来のMCT光起電力素子よりも長いカットオフ波長 14.5 μmを実現しています。また、直線性も優れており広いダイナミックレンジを実現したことで、FTIR分析装置の高精度化に寄与することが期待されます。

モジュールタイプも用意

TypeⅡ超格子赤外線検出素子を搭載した「プリアンプ付赤外検出モジュール C15780-401」も用意しています。MCT検出器と同様に素子への供給電力が不要なため、低消費電流での動作が可能です。

おすすめ製品

検出可能波長: 1~14.5 μm

検出可能波長: 1~2.5 μm

検出可能波長: 1~3.8 μm

検出可能波長: 1~5.5 μm

検出可能波長: 1~11 μm

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