FAQs | UVtron® (UVトロン®) 炎・放電センサ

UVtron®は、波長185 nm ~ 260 nm (*1)の紫外線にのみ感度を持つセンサです。

高感度・高速応答を特長としており、炎や放電の検知に最適です。

 

*1: Ni電極の場合

光源設置環境について

UVtron®は他のセンサに比べてどのような特長がありますか?

UVtron®は、波長185 nm ~ 260 nm (*1)の紫外線にのみ感度を持つセンサです。

赤外線方式や煙検知方式と比較して、高感度・高速応答での紫外線の検知が可能です。

 

*1: Ni電極の場合

どのようにUVtron®を選べば良いですか?

必要感度や使用環境などに応じて、最適なUVtron®を選んでください。

特性および仕様などを参考にしてください。

たばこや線香も検知できますか?

炎自体の紫外線に感度があるため、たばこや線香のような無炎燃焼は検知できません。

炎の大小を見分けることはできますか?

特性上わずかにリニアリティがありますが、UVtron®は光量測定ではなく、紫外線があるかどうかを判別するON-OFFセンサとしての使用を推奨しています。

UVtron®は同時に複数本使用可能ですか?

使用可能です。

ただし、UVtron®は紫外線を検知すると、放電して紫外線を発するため、隣接するUVtron®がその紫外線を検知してしまう可能性があります。そのため、UVtron®同士が光学的に干渉しないように設計を行ってください。

動作にあたり、必要なものはありますか?

UVtron®を動作させるために以下のどちらかが必要です。

1. CRによる外部クエンチング回路+直流高電圧源

2. DC-DCコンバータ式高圧電源回路

弊社ではDC-DCコンバータ式高圧電源回路を使用しているUVtron®駆動回路 C10807/C10423を取り扱っていますので、ご希望の場合は弊社までお問い合わせください。

CRによる外部クエンチング回路+直流高電圧源
回路構成

DC-DCコンバータ式高圧電源回路
回路構成

UVtron®の供給電圧測定はどのように行えば良いですか?

UVtron®の供給電圧測定には、10 GΩ程度の高いインピーダンスのマルチメータを使用してください。マルチメータのインピーダンスが十分でないと、UVtron®駆動回路の高いインピーダンスにより正確に電圧を測定できない可能性があります。

高抵抗を入れた電圧測定回路
回路構成

日常点検はどのように行えば良いですか?

UVtron®用チェッカーランプ L9657-03のON-OFF動作に応じて、UVtron®が紫外線を検知しているか確認してください。その際、外部からの紫外線がUVtron®に入射しないように注意してください。

UVtron®の保管可能期間はどのくらいですか?
また、長期保管していたUVtron®の動作確認はどのように行えば良いですか?

保証期間は納入後1年間となっていますが、通常5年程度は保管可能です。

リードピンに錆などの劣化がないか確認した上で動作確認を行ってください。保管環境にもよりますが、基本的にリードピンに錆などの劣化がなければ動作に問題はありません。

供給電圧を変えるとどうなりますか?

供給電圧が高くなると、比例して感度も高くなります。ただし、供給電圧が推奨動作範囲を超えるとバックグラウンドノイズ (BG)が増加するため、推奨供給電圧範囲内で使用してください。

供給電圧に対する感度特性
(代表値)

供給電圧に対するバックグラウンドノイズ
(代表値)

VL: 紫外光下放電開始電圧

VD: 蛍光灯下電極間絶縁破壊電圧

寿命の定義は何になりますか?

寿命の定義は以下項目のいずれかに該当した場合としています。

1. 放電開始電圧が仕様のMax.の値を超えた時点

2. 感度が初期値の50 %に低下した時点

3. バックグラウンドノイズが仕様のMax.の値を超えた時点

UVtron®のリード線はどのように曲げれば良いですか?また、どのように切断すれば良いですか?

リード線の曲げおよび切断ができるのはR2868・R9454・R244の3品種となります。その他の品種についてはリード線加工厳禁です。

リード線の曲げ方

ガラスバルブが割れたり、ガラスバルブに傷が付いたりしないようにしっかり固定した上でゆっくり曲げてください。

良い例

悪い例

リード線の切断方法

リード線を切断するなどの加工を施すと、内部電極が衝撃を受けてしまう場合があり、落下時と同様に電気的特性が劣化する恐れがあります。衝撃を緩和するために、内部電極に対してニッパの刃先を垂直方向にして切断したり、ニッパで一度に切断せず2・3回に分けて刃を入れてゆっくりと切断してください。

良い例

悪い例

はんだ付けをする際の注意事項はありますか?
また、はんだ槽は大丈夫ですか?

UVtron®のリード線に高い温度を加えると、ガラスバルブの割れや内部電極の劣化を引き起こす恐れがあります。誤動作の原因となりますので気を付けてください。リード線がハードピンのものは、専用のソケットを用意していますので、そちらの使用をお薦めします。直接基板などにはんだ付けする場合は、リード線の根元をヒートシンクなどではさみ、熱がUVtron®に伝わらないようにした上で、350 ℃・5 s 以内で作業してください。また、はんだ槽を使用することは避けてください。

はんだ付け後、フラックスはアルコールなどで完全に除去してください。

UVtron®に設置向きや設置姿勢で注意することはありますか?

設置向きについては、視野特性を参考に陰極 (光電面)に紫外線が直接入射するように設置してください。

設置姿勢については制限はありません。

陽極リードおよび陰極リードが複数本ある場合、全て接続しないといけませんか?

陽極リードおよび陰極リード、それぞれ1本づつ接続していただければ動作には問題ありません。

UVtron®を駆動回路から距離を離して設置しても良いですか?

UVtron®と駆動回路を離して設置しなければならず、ケーブル容量が100 pFを超える場合は、UVtron®の陽極の直前 (25 mm以内)に電流制限抵抗 (RS:4.7 kΩ)を入れてください。

ケーブルの浮遊容量が大きい場合、放電電流も大きくなり、電極を痛める可能性があります。

CRによる外部クエンチング回路
回路構成

・UVtron®を離して設置する場合

バックグラウンドノイズ (BG)の原因には何がありますか?

バックグラウンドノイズ (BG)の原因としては以下が挙げられます。

 

1. 宇宙線などの放射線

紫外線よりも高いエネルギーを持つ放射線が陰極 (光電面)に入射すると、光電効果によって放電が起こることがあります。自然界に存在する宇宙線などの放射線の入射を完全に防ぐことは難しいため、信号処理回路で検知対象からの紫外線と区別する必要があります。

 

2. X線

紫外線よりも高いエネルギーと透過性を持つX線が陰極 (光電面)に入射すると、光電効果によって放電が起こることがあります。

 

3. 静電気

UVtron®に静電気を帯びたものが近づいたり触れたりすると、その高電界によって管内のガス分子が電離して放電が起こることがあります。

 

4. 高電界・高磁界・強い電磁波

供給電圧が高い状態では、陰極 (光電面)から電界放出によって光電子が飛び出し、放電が起こることがあります。

 

5. 太陽光よりも光放射強度が著しく高い光線 (レーザ・LEDなど)

光放射強度が著しく高い光線が陰極 (光電面)に入射すると、熱電子放出などによってバックグラウンドノイズが増加することがあります。

 

6. 目的外の紫外線

UVtron®の動作としては正常ですが、検知対象以外からの紫外線によって装置が誤動作をする場合があります。これも一種のバックグラウンドノイズ (BG)と考えることができます。紫外線は普段の生活のなかにも多く存在しています。特に屋外では、アーク溶接の火花や電気スパーク (電車のパンタグラフのスパーク)など、意外なところからの微弱な紫外線にも反応します。使用の際は周囲環境に十分気を付けてください。

バックグラウンドノイズ (BG)はどのように防げば良いですか?
また、キャンセルレベルはどのように変えれば良いですか?

意図しない紫外線が入射しないように注意してください。ただし、宇宙線の影響でUVtron®が反応してしまうことは避けられないため、バックグラウンドノイズ (BG)をキャンセルする信号処理回路の使用を推奨します。弊社UVtron®駆動回路 C10807/C10423はバックグラウンドノイズ (BG)キャンセル機能が搭載されています。キャンセルレベルを変更したい場合は弊社までご相談ください。

信号処理回路
回路構成

チェッカーランプの光量はどのくらいですか?

ライター程度の光量の紫外線を発しています。

IEC62471「ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性」では無害判定となっていますが、裸眼で長時間直視することは避けてください。

高温下・低温下・高湿度下で使用しても大丈夫ですか?

UVtron®は動作温度範囲 -40 ℃ ~ +125 ℃/動作湿度範囲 80 %以下ですので、必ず守ってください。

高温下・低温下・高湿度下で使用した場合、以下のような傾向があります。

 

● 高温下の場合 /劣化が早くなります。

● 低温下の場合 /紫外光下放電開始電圧 (VL)が低下して感度が上がります。

● 高湿度下の場合/電圧のリークや短絡により動作が不安定になります。

 

もし動作湿度が80 %を超える場合は結露がないようにしてください。また、リード線を絶縁性の樹脂で埋めるなど、リード線周辺の絶縁には十分注意してください。

なぜ落としただけで不良になるのですか?

UVtron®は過度な衝撃が加わると陽極・陰極同士が接触してしまい、著しく寿命が短くなる場合があるためです。

汚れが付いても大丈夫ですか?

ガラスバルブが汚れていると、紫外線の透過率低下やガラスの変質が起こる場合があります。機器に組み込み後はアルコールを付けたガーゼなどで定期的に清掃してください。また、UVtron®のガラスバルブ部分は素手で触れないでください。作業時は手の油などの汚れが付かないように手袋を使用してください。

各種認証・指令・規制に対応していますか?

CE認証はUVtron®およびUVtron®用ソケット・UVtron®チェッカーランプは対象外となっていますが、UVtron®用駆動回路・チェッカーランプ用駆動回路およびUVtron®モジュールは対応しています。

RoHS指令は全て対応しています。

REACH規制については弊社までお問い合わせください。

試しに使用してみたい場合はどうすれば良いですか?

弊社は無償でのデモ機貸出を行っています。お気軽にお問い合わせください。

製品の購入やさらに詳しい情報についてはお問い合わせください。

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