質量分析 質量分析

質量分析 TOF-MS

イオン分離の手法として、TOF(Time of Flight)を用いる質量分析装置です。イオンを電界で加速させることで、質量電荷比に応じて生じる飛行時間の差を測定します。

わずかな飛行時間の差を捉えるため、検出器には高速な応答性とタイムジッタの少ない検出器が求められます。

TOF-MSに求められる特性や機能

応答特性

TOF-MSでは、質量電荷比に応じた速度差によるイオンの飛行時間の差を測定します。電界で加速されたイオンのわずかな到着時間(イオンの飛行時間)の差を検出器によって測定するため、検出器の応答特性はTOF-MSにおいて特に重要視されます。

高い分解能を持つ高性能装置においては、サブナノ秒の応答速度(FWHM)が必要となります。浜松ホトニクスでは、サブナノ秒の高速応答性を有する製品から、コンパクトな装置構成に適した数ナノ秒の応答性を有するものまで、さまざまな種類のTOF-MSに適した幅広い検出器ラインアップを揃えています。

平坦度

イオン入射タイミングへの影響

検出器におけるイオン入射面の平坦性を指します。同じ質量電荷比のイオンが同時に複数入射した場合、平坦度が重要になります。

入射面が平坦であることによって、イオン-電子変換タイミングの時間差低減が期待でき、イオンの飛行時間情報の劣化を抑制します。

応答波形の左右対称性

出力波形例 (Typ.)

応答波形は解析における測定データの扱いやすさに影響します。

検出器:MCPアッセンブリ MIGHTION

Bias voltage:MCP: 600 V, AD: -350 V

フローティング動作対応

両極性検出

両極性イオンの測定にフローティング動作対応の検出器が必要となります。正負の高圧にフローティング動作させるために、高耐圧のカップリングを施す必要があります。

ダイナミックレンジ

パルスリニアリティ例

TOF-MSを定量分析で使用する場合、特に重要視される特性です。

浜松ホトニクスでは、従来品と比べて広いダイナミックレンジを実現した検出器を有しています。

検出器:MCPアッセンブリ MIGHTION

MCP-in:-6 kV, 50 Ω終端時

F14845-11:リニアリティ 90 % 3.2 V

F14845-12:リニアリティ 90 % 12 V

TOF-MS用おすすめ検出器

検出器 特長

仕様

性能の目安
製品名 イメージ 型名

応答特性範囲

(typ.)

有効径ラインアップ

(mm)

フローティング対応 ダイナミックレンジ サイズ
MCPアッセンブリ f9890-13-14 F9890-13 / -14 高速応答,  スタンダードモデル 900 ps ~ 1200 ps Φ 27, Φ 42
f9890-31-32 F9890-31 / -32 高速応答, フローティング 450 ps ~ 700 ps Φ 27, Φ 42 ±10 kV対応
f12334 F12334-11 コンパクト 1500 ps Φ 20, Φ 27, Φ 42
f13446 F13446-11 コンパクト、フローティング 1300 ps ~ 1500 ps Φ 27, Φ 42 ±5 kV対応
f14845 MIGHTION F14845シリーズ 高速応答、ワイドダイナミックレンジ 550 ps Φ 27

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