は行

バイアスT

デバイスにDCバイアスを印加するための回路。インピーダンスの整合を取りながらのDCバイアスの印加が可能で、高速デバイスを使用する際に必要とされます。

バイフェーズ信号

3ビット以上で0や1の信号が連続しないように変調をかける符号化方式。NRZ信号に比較するとバイフェーズ信号では、冗長度が倍のため、帯域使用効率は50%となります。一例としては、25 Mbpsのバイフェーズ信号は、NRZ換算で50 Mbpsとなります。バイフェーズ信号には、簡単な回路でクロック成分を抽出できるメリットがあります。バイフェーズ信号と同様な符号化方式にCMIやマンチェスタ符号があります。

パッシブアライメント(passive alignment)

光モジュールの組立において、2つ以上の光学素子間の結合を機械的精度のみで行う位置決め方式。通常、光学素子の位置合わせ精度は、サブミクロンから数ミクロンが要求されるため、半導体プロセス技術によって形成される高精度なメタライズパターンやV溝などが位置決めの基準に用いられます。パッシブアライメントに対してアクティブアライメント (active alignment)では、モジュールの動作状態を想定した光を発生させ (レーザダイオードを発光させるなど)、光モジュールとして所望の特性が得られるように、光をモニタしながら位置合わせを行います。

バンドギャップエネルギー

半導体/絶縁体/金属中で原子核を取り巻く電子は、一定の幅をもったエネルギー準位の中に存在しています。半導体・絶縁体において、電子が存在しうるエネルギー帯のうちで一番外側にあって絶対零度において電子が一杯に詰まっているエネルギー帯を価電子帯といい、電子が空のエネルギー帯を伝導帯といいます。この価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップ (禁止帯)におけるエネルギー範囲を、バンドギャップエネルギーといいます。なお金属では、価電子帯と伝導帯が重なり合い、バンドギャップは存在しません。

バンプボンディング

バンプ (はんだなどの金属の突起)をウエハ上に作製する技術。3次元実装に用いられ、狭ピッチバンプにより小型化・高機能化が可能となります。

光反射減衰量: ORL(optical return loss)

入射光に対する反射戻り光の比。反射戻り光が大きいと、送信側のレーザダイオードの発振が不安定になり相対強度雑音が大きくなるため、反射戻り光を極力抑える必要があります。レセプタクル型のモジュールでは、その対策として光アイソレータを挿入したり、スタブ (stub)と呼ばれるフェルール [ファイバ挿入側をPC (physical contact)研磨し、デバイス側を斜め研磨した部品]を挿入することがあります。

ヒステリシス

入力レベルを増加させながら出力レベルを測定した場合と、入力レベルを減少させながら出力レベルを測定した場合において、同じ入力レベルに対して同一の出力レベルにならないこと。これによって、ヒステリシス幅以内のノイズではチャタリングが生じません。コンパレータに用いられるヒステリシス回路は、出力の一部を非反転入力端子に帰還をかけることで実現しています。

飛跡検出器(バーテックス・ディテクタ)

主に素粒子エネルギー物理実験において、高エネルギー粒子を衝突させた結果発生する、2次的な粒子の進行方向および崩壊過程をとらえることを目的とした検出器。飛跡検出器は、粒子の衝突点を取り囲む位置に配置されます。

ビットエラーレート(符号誤り率)

デジタル伝送において伝送品質を評価する指標の1つで、伝送された符号を誤って識別する確率のこと。ビットエラーレートは、S/Nと密接な関係がありますが、S/Nだけでは決められない場合もあります。

ブラッグ(Bragg)回折

周期的に配置された構造をもつ光散乱物へ単色光を入射したときに、多面反射により位相がそろう特定の角度に強く反射すること。半導体レーザの共振器を作るために利用されます。

フリップチップ実装

チップをパッケージや別のチップに接続するために、チップの上面側の電極にバンプ (はんだなどの金属の突起)を付け、天地をひっくり返した状態で実装する方式。チップオンチップ実装ができるため、小型化が可能になります。

ブルーミング

イメージセンサで光電変換された信号電荷が、一定以上になると隣接した画素やフォトダイオード以外の転送領域 (IT型CCDの場合)にあふれ出ること。CCDでは、あふれ出た電荷は、スミアと同様に入射位置を中心に画像において縦の帯のようにみられます。ブルーミングを防止するためには、イメージセンサに余剰の電荷を排出する機構を設ける必要があり、CCDでは縦型・横型のアンチブルーミングやクロッキングによってブルーミング抑制を行う方法が用いられます。

分光感度特性

入射光量と光電流の関係 (光電感度)は、入射光の波長によって異なります。この波長と光電感度との関係を分光感度特性といい、受光感度または量子効率で表します。

並列抵抗

フォトダイオードにおける0 V付近での電圧-電流比。当社カタログでは次の式で並列抵抗を規定しています。このときの暗電流 (ID)は、逆電圧が10 mVのときの値となります。$$Rsh [\Omega]= \frac{0.01[V]}{I_{D}[A]} $$ フォトダイオードに逆電圧を印加しない用途では、並列抵抗で発生するノイズが支配的となります。