サプライチェーン

 

浜松ホトニクスグループサプライチェーン方針

浜松ホトニクスグループは、グローバルなサプライチェーンの責任ある一員として、自社の取り組みのみならず、サプライチェーン全体における環境、人権・労働、安全衛生、企業倫理に配慮したサステナブルな調達をサプライヤーとの相互の信頼関係の元に推進していきます。この推進活動の一つとして、サプライヤーに浜松ホトニクスグループサステナビリティ基本方針を理解し、活動を推進いただくための参考として浜松ホトニクス サプライチェーン行動指針を提示していきます。

また、社会に対する製品の供給責任を果たすためにBCPの策定と推進活動も重要事項であると考えています。

サプライヤーには、ESG及びBCPに係わる現状の推進状況の調査及び改善要請を行っています。

 

2022年 6月 1日 制定

2024年 10月 1日 改定

推進体制

当社では、管理統括本部長(常務執行役員)を責任者とし、調達本部を主管部門とするサプライチェーンマネジメント体制を構築しています。サステナブル調達に係る各施策については、調達本部の配下に設置したサステナブル調達推進会議などで報告・審議するとともに、活動の進捗状況などについてレビューを行っています。

また、重要事項や目標・進捗状況などについてはサステナビリティ事務局を通じて取締役会へ四半期ごとに報告し、取締役会より監督・指示を受けています。

サプライチェーンの概要

製品に使われる部材において、地域別の調達金額では、日本のサプライヤーが全体の82.3 %を占め、続いて北米(12.3 %)、アジア(中国以外)(3.9 %)の順となっています。また、地域別の調達社数では、日本のサプライヤーが全体の94.3 %を占めています。

地域別調達金額比率

地域別調達社数比率

重要サプライヤーの特定

当社では、「調達金額」および「重要材料(部品)及び代替困難材料の供給有無」などを考慮して重要サプライヤーを特定しています。当期(2025年9月期)は製品に使われる部材の重要サプライヤーは229社となりました。特定された重要サプライヤーに対しては、「浜松ホトニクスグループサプライチェーン行動指針」の遵守を依頼するとともに、サステナブル調達調査(ESG要素)や監査などを通じたリスク評価、課題の把握および改善要請・支援を行います。なお、製品に使われる部材の調達金額において、重要サプライヤーからの調達金額は90 %を占めています(連結対象子会社を除く)。

取引基本契約書

法令遵守や人権尊重、環境保護などを規定した取引基本契約書をサプライヤーとの間で締結し、これらの項目の遵守を求めています。(重要サプライヤーに占める契約割合:94 %)

(例)取引基本契約書(抜粋)

第36条 (サプライチェーン行動指針の遵守)

第37条 (環境保護)

第38条 (法令の遵守)

第39条 (人権尊重)

第40条 (公正な取引)

 

サプライチェーン行動指針

2024年10月、浜松ホトニクスグループ行動指針・姿勢をベースに、当社が所属する一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が公開している「責任ある企業行動ガイドライン」を参考に、より人権尊重などの項目を充実させた「浜松ホトニクス サプライチェーン行動指針」に改訂しました。重要サプライヤーに対して同行動指針への理解と同意書への署名、提出を依頼しています。

第1部 行動規範

1. 法令遵守・国際規範の尊重

2. 人権・労働

3. 安全衛生

4. 環境

5. 公正取引・倫理

6. 品質・安全性

7. 情報セキュリティ

8. 事業継続計画

9. その他

第2部 管理体制の構築

A. マネジメントシステムの構築

B. サプライヤーの管理

C. 適切な輸出入管理

D. 苦情処理メカニズムの整備

E. 取り組み状況の開示

本行動指針は定期的な見直しを実施し、現状に合わせた内容を維持しています。

変更があった場合はサプライヤーへ連絡し、周知徹底しています。

<浜松ホトニクス サプライチェーン行動指針の同意実績>

当期目標 実績(2025年6月時点)
サプライチェーン行動指針同意書取得率 80 % 97.4 %(223社/229社)

サステナブル調達調査

重要サプライヤーのサステナブル調達の取り組み状況について、定期的にサステナブル調達調査を実施し、「浜松ホトニクス サプライチェーン行動指針」に対する遵守状況の確認を行っています。調査項目は同行動指針の第1部行動規範、第2部管理体制の全14項目に準じて、また特に人権・労働、安全衛生などのリスク中心に設問を設定しており、サプライヤーからの回答を評価しています。特に著しく評価が低い項目がある場合は双方での協議を行い、妥当性のある改善方法の開示を求め、その改善状況を確認・評価していきます。

<評価プロセス>

1.方針・行動指針周知・同意

2.対象サプライヤー抽出

3.サステナブル調達調査・結果分析

4.ESG監査(サステナブル調達調査の結果・行動指針との整合を確認し、是正が必要と判断したサプライヤーに対して実施)

5.是正計画の策定要請・検証

<サステナブル調達調査の結果>

評価ランク 77期実績 説明
A 91社(40 %) ・サプライチェーン行動指針の要求レベルで対応
B 59社(26 %) ・サプライチェーン行動指針の要求レベルで対応ができていない項目があるが自主的な是正を依頼
C 40社(17 %) ・サプライチェーン行動指針の要求レベルで対応ができていない項目が多数あり、改善計画による 対応要請(必要に応じて)
D 39社(17 %) ・サプライチェーン行動指針の要求レベルで対応できていない項目が多数あり、改善・支援が必要
・ESG監査及び改善計画の提出を要請

得点率が高い項目は、「品質・安全性」「環境」「安全衛生」で、その一方「人権・労働」「事業継続計画」「情報セキュリティ」などは改善の余地がある結果となりました。また、39社(17 %)がDランクとなりましたので、双方での協議を行い、改善方法を検討していきます。

項目 配点 平均得点 平均得点率
1.法令遵守・国際規範の尊重 15 11.4 76.0 %
2.人権・労働 148 97.8 66.1 %
3.安全衛生 38 29.7 78.2 %
4.環境 33 26.2 79.4 %
5.公正取引・倫理 70 53.7 76.7 %
6.品質・安全性 26 22.6 86.9 %
7.情報セキュリティ 26 17.5 67.3 %
8.事業継続計画 5 3.4 68.0 %
管理体制の構築 24 16.5 68.8 %
385 278.7 72.4 %

<サステナブル調達調査>

調査期間:2024年12月~2025年1月
調査対象:重要サプライヤー229社(製品に使われる部材の調達額90 %を占める ※連結対象子会社を除く)
回答サプライヤー:222社(回答率約97 %)

教育・啓発

社内教育

77期(2024年9月期)は、「サステナブル調達推進」や「調達関連法令(下請法など)」に関して、調達担当者などを中心に計524名への教育を実施しました。

教育内容 延べ受講者数(名)
サステナブル調達推進 99
調達関連法令(下請法など) 425
合計 524

※下請法:下請代金支払遅延等防止法

サプライヤーとの交流

当社では、年3回、浜松ホトニクス協力会を開催し、主要サプライヤーとの交流を深めています。2024年8月には、健康経営をテーマに、40社(68名)のサプライヤーと開催しました。

サプライヤーとの勉強会の様子

浜松ホトニクス協力会の様子

上記の教育・啓発活動は、テーマや教育参加者を変えて毎年開催していきます。

通報制度

浜松ホトニクスグループサステナビリティ基本方針に準じてサステナブル調達を実践しています。その一環としてサプライヤーからの通報窓口を設置しました。

 

当社の業務や社員等に関して、不正行為や法令違反、倫理違反、およびそれに準ずる恐れのある行為にお気付きになられた場合、または疑問を持たれた場合は、ご連絡をくださいますようお願いいたします。