労働条件

適正な労働環境、児童労働・強制労働の禁止

当社は、医用、産業、分析、計測などの様々な分野におけるキーとなる製品を世界中に供給しており、これを通じて世界中の人々の健康と幸せに寄与することを目指しています。また、従業員が現状維持にとどまらず、自由で革新的な発想のもとで活躍しやすい社風、組織を築くことが重要と考えています。

このような高い目標に歩み続けるため、当社は、世界中の人々が有する基本的な権利である人権の尊重をビジネスの基礎に据える必要があると考え、企業行動規範において「雇用差別の禁止と機会均等の推進」、「児童労働、強制労働の禁止」、「人権尊重」、などを掲げ、これらを従業員に周知してまいりました。さらに、2017年8月に国連グローバル・コンパクトに署名をし、その10原則の支持を表明いたしました。

今後も、人事部及び総務部人事グループを中心に人権尊重の取り組みを進めてまいります。

労働条件

当社が係る“光”に関する分野は未だ解明されてない事項が多く、未知未踏領域に長期的な観点から立ち向かう必要があります。そのため、長期雇用を前提に、従業員が長年にわたり働きやすい職場環境の構築に努めております。また、従業員の給与は法令で定められた最低賃金を上回る賃金を支払うことを順守するとともに、会社業績への長期の貢献が報われる賃金体系を基礎に、賞与(業績賞与を含む)を含めて適切な労働の対価を支払うようにしています。

 

なお、労働条件に関する就業規則等については、社内ホームページにて開示しており、従業員であればだれでも閲覧できるようにしています。

定年制度

当社は定年制度を設けております。しかし、2002年(平成14年)3月に定年延長制度を導入し、月給者の定年年齢を60歳から65歳に延長いたしました。加えて、定年延長に伴う賃金についても定年時で据え置きとし、経験豊富な従業員が気持ちよく技術や能力を発揮し、若手にも継承できるような環境づくりに努めつつ、労働力確保にもつなげています。

パートタイマーの無期雇用化

当社でも以前は多くのパートタイマーの方がおりました。パートタイマーは有期契約で、月給者よりも一日の就業時間は短くなっておりました。しかし、パートタイマーには各種工程にて重要な役割を担っている方も多かったことから、2010年(平成22年)に全員の身分を“定時社員”へ変更し、無期契約にいたしました。これにより、パートタイマーの方々も安定した立場で安心して業務に従事できる体制を整えています。

労働組合との関係/結社の自由

当社は労働者の団結権を尊重しております。現在浜松ホトニクス労働組合があり、非管理職の約97.9 %が組合員(2023年9月時点)となっております。そして、会社と組合は相互の誠実と信頼を基調とした労使関係の確立に努め、社業の発展に向けてともに協議をしています。

具体的には、毎月一回定期的に労働組合と協議(労使協議会)を行うとともに、団体交渉の申し入れには誠意をもって対応し、労使協調して業績の向上に向けた努力を傾注する必要があるという共通認識のもと、労働条件を始めとした各種テーマについて話し合いを重ねています。

なお、労使交渉の結果、次の通りベースアップを実施し、賞与を支給しております。

  ベースアップ(%) 賞与(月数)
2023年度 2.86 6.1
2022年度 0.78 5.8
2021年度 0.33 5.5

ワークライフバランスの確保

当社は、一人ひとりの従業員が会社で活躍するためには、家庭、地域など生活の基盤が充実していることが重要だと考えています。そのため、ワークライフバランスの確保に努めており、必要に応じて労働組合とも協議をして、次のような施策をとっております。

  • 長時間労働をなくすため、従業員の労働時間を管理職のみが管理するのではなく、労使協議会の場でも確認をしております。
  • 毎週水曜日はノー残業デーとしています。
  • 管理職に対する教育を適宜実施しております。
  • 残業時間が多くなっている従業員については、管理職がその従業員と話し合いをするとともに、産業医や保健師との面談を行っております。

【平均残業時間】


2022年度:13.1時間
2021年度:14.2時間
2020年度:12.2時間

有給休暇の積極的な取得

当社は、従業員が有給休暇を取得して心身をリフレッシュし、次の新たな仕事に接することは会社の生産性向上にも大きく寄与すると考えております。そのため、当社は年次有給休暇を入社時に付与するとともに、以下のような各種特別休暇制度(例)を設け、その取得を推進しています。

  • 結婚休暇:5日
  • 出産休暇:2日
  • 忌引休暇
  • メモリアル休暇:1日(従業員の誕生月に付与)
  • リフレッシュ休暇:勤続15年で3日、25年で5日、35年で5日

【有給休暇の取得状況】

2022年度 84.2%
2021年度 77.0%
2020年度 72.8%

【メモリアル休暇の取得状況】

2022年度 95.4%
2021年度 95.2%
2020年度 95.5%

積立保存休暇制度

当社は、労働基準法により打ち切られる年次有給休暇を積立保存休暇として、70日を限度として積立できる制度を設けています。この積立保存休暇は、次のような際に使用することができます。

  • 連続7日以上休業が必要または会社が認めた私傷病(労働者自身、家族)、介護・介助(家族)
  • 不妊治療
  • 妊娠による母体保護の必要上、医師の指導がある場合
  • 配偶者の妊娠・出産に伴い必要な場合
  • 中学校卒業までの子の看護、教育等
  • 大規模災害の復興・復旧支援活動およびその他の社会的貢献度が高いと会社が認めたボランティア活動に必要な場合

【積立保存休暇の使用実績】

2022年度:7,482.5日
2021年度:3,763.5日
2020年度:2,439日

休職制度

業務に精通し、会社に貢献している従業員が例えば疾病などにより業務に従事できなくなった場合、労働力の提供ができないことをもって退職とすることは、従業員本人にとってもまた会社にとっても大きな損失です。そこで、当社は傷病休職制度を設け、勤続年数に応じて一定期間休職できる制度を設けるとともに、その休職期間中の一部は有給としております。なお、休職した従業員が安全に業務に復帰し、再び活躍をしてもらうため、傷病休職ガイドラインを設けて対応をしております。

 

継続的な雇用に向けた対応/育児や介護との両立

経験と実績を積んだ社員が退職することは会社にとって大きな損失です。そこで、当社は従業員の継続的な雇用に向けて、次のような施策をとっております。

  • 育児に関する制度をとりまとめて、社内ホームページを通じて従業員に周知をしています。
  • 育児については、育児休職(最長2歳まで)、育児短縮時間勤務(小学校3年生まで)、育児フレックスタイム勤務(小学校卒業まで)及び育児シフト勤務(小学校卒業まで)を選択して取得できます。また妊娠中は産前短縮時間勤務を取得できます。
  • 介護については、介護休職(最長93日)、介護短縮時間勤務(最長3年)、介護フレックスタイム勤務(最長5年)または介護シフト勤務(最長5年)を選択もしくは介護短縮時間勤務、介護フレックスタイム勤務及び介護シフト勤務を組み合わせて(最長5年)取得できます。
  • 育児及び介護に関して、時間外労働時間の免除や上限時間の制限の申請が可能です。
  • 育児や介護目的のため前述の積立保存休暇の取得が可能です。
  • 私傷病により休職をする場合、勤続年数により最長3年間の休職を認めています。
  • 復職に困難が伴う場合、医師の指導をふまえて復職準備勤務を命じることがあります。また、段階的に勤務時間を設定することで、所定労働時間に近づけるような対応をすることもあります。

【出産した女性従業員の数と継続勤務の状況】

年度 出産した女性従業員の数 出産を理由に退職した女性従業員の数
2022年度 16名 0名
2021年度 20名 0名
2020年度 14名 0名

また、育児休職、育児短縮時間勤務、育児フレックスタイム勤務及び育児シフト勤務は男性も取得可能です。

【育児休職等の取得実績】

  育児休職 育児短縮時間勤務 育児フレックスタイム勤務 育児シフト勤務
  男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性
2022年度 83 14 6 30 77 6 18 1
2021年度 42 22 7 25 65 4 14 0
2020年度 26 14 3 32 59 9 10 1

一方、介護休職、介護短縮時間勤務、介護フレックスタイム勤務及び介護シフト勤務の実績は次のとおりです。

【介護休職等の取得実績】  

  介護休職 介護短縮時間勤務 介護フレックスタイム勤務 介護シフト勤務
  男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性
2022年度 0 1 0 0 2 2 0 1
2021年度 2 0 1 0 4 1 0 0
2020年度 0 0 0 0 1 0 0 0

従業員持株会制度

当社は、従業員の財産形成の一助とすべく、従業員持株会制度を導入しています。従業員持株会制度は当社の株式公開前から導入しており、かつこれにより従業員が業務に精励し、会社業績の一段の向上に寄与すると考えられることから奨励金を10%支給しております。

長年にわたる持株会活動の成果として、当社従業員の90%超が持株会に入会しており、年によっては新入社員の全員が持株会に入会したという実績もあります。

【持株会加入状況】

独身寮の運営

当社は毎年100名超の新入社員が全国から入社しています。特に遠隔地から来る社員にとっては生活の場所の確保が重要になりますので、当社は独身寮を建設し、住居を提供するとともに、希望者には朝食と夕食を安価に提供しております。また、入寮者の負担する費用を低くおさえることで、遠隔地から入社する社員の就業・生活をサポートしております。

 

なお、独身寮は一人一部屋でプライバシーが確保できるようにしており、門限などもありません。また、海外の子会社の従業員が研修のために来日したり、共同研究先の研究者が来日したりする際にも、空いている独身寮を短期居住の場に提供することもあります。

大平寮