レーザビーム同期検出用フォトIC

レーザビーム同期検出用フォトICとは、どのようなフォトICですか?

レーザビームプリンタ・デジタル複写機などに使用する、書き込み用レーザの通過タイミング検知用に開発されたフォトICです。高速フォトダイオードと高速信号処理回路を内蔵しており、安定したタイミング検出を実現しています。

外付けゲイン抵抗値は、どのように決めますか?

Ro端子のアナログ振幅 (レーザビームが通過したとき発生する電圧変化)電圧は、Vro=電流ゲイン × 受光感度 × 外付けゲイン抵抗で表されます。Vroが2~3 Vになるように外付けゲイン抵抗を選定します (抵抗値は1 kΩ~10 kΩの範囲で選定)。4、6、20倍の電流ゲインのものを用意しており、レーザビームパワーに合わせて選択が可能です。なお、2素子タイプの場合、Ro1、Ro2に接続する抵抗は同じ値のものを使用してください。

レーザのスキャン方向に決まりはありますか?

1素子タイプの場合は左右どちらの方向でも構いませんが、2素子タイプの場合は、ch 1→ch 2の方向にスキャンして使用します。

2素子タイプのゲイン抵抗端子のアナログ振幅ΔVroは、何Vから検知できますか?(スレッショルド入射パワー)

0.5 V以上から検知できます。

Ro端子の振幅が2~3 Vになるようにゲイン抵抗を決めることが推奨されていますが、その理由を教えてください。

2素子タイプのメリットである、パワー変動・温度変動に対してタイミング変動の少ない出力を得るには、Ro1端子、Ro2 端子の電圧波形が、2素子フォトダイオードの中央でクロスするような形状 (X状)になることが必要になります。計算上では、出力が得られるアナログ振幅は1.5~8 V です。ここでアナログ振幅の値を大きくしすぎると、パッケージ内部の迷光により誤動作する可能性があります (迷光は、ΔVRoの6%程度発生します)。上限は3 Vより多少大きくても (6 V程度まで)問題はありませんが、過剰にアナログ振幅を大きくすると安定した出力を得にくいため3 Vまでを推奨しています。

アナログ信号振幅が2 V未満となった場合には問題がありますか?

1.5 Vまでは特に問題は起きませんが、1.5 V未満になった場合、ゲイン抵抗端子のクロス波形が得られないため、パワー変動・温度変動に対してタイミング変動の少ない出力が得られなくなります。